尼崎市立尼崎高校水泳部員傷害事件

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兵庫県の尼崎市立尼崎高等学校の女子生徒(高校1年生)は、2017年(平成29年)夏頃から所属する水泳部の複数の女子部員から仲間外れにされ、悪口を言われ、11月から不登校になった。女子生徒の保護者は、「重大事態に当たるので調べてほしい」と再三要望したが、学校と市教委は2年以上放置し、女子生徒は2018年3月に退学を余儀なくされた。

2021年3月17日、市教委が設置した第三者委員会は、他の部員に無視されるなど部内でいじめがあったと認定し、被害相談を受けた顧問らが部員同士を和解させようと開いたミーティングの場で逆に女子生徒が責められたり謝罪させられるなどしたことが女子生徒を更に追い詰め、不登校に至らせたと結論付けた。

また、市教委は当時の教頭らが女子生徒の転学願を無断で作成したことが判明したとして、2月26日付で教頭ら2人を懲戒処分とした。

同校水泳部では、2019年夏以降にいじめ被害を訴えて不登校になり退学を余儀なくされ、市教委が「重大事態」として調査した事件(尼崎市立尼崎高校水泳部員傷害事件)も起きている。

事件の経緯

2017年夏頃、女子生徒は部活内のトラブルで、複数の女子部員に仲間外れにされ、悪口を言われるようになった。

顧問は同級生で話し合いをさせ、双方が謝罪したことで、関係修復するよう告げた。しかし、女子生徒が練習をしていないことを聞こえるような声で批判するなどいじめは継続しており、女子生徒は話し合い後に全く登校できなくなった。

女子生徒が心療内科を受診した。顧問が部活内で状況を説明し、同級生部員だけでミーティングを行った。「病気を言い訳にしすぎ」「陰口ではなく直接言うので学校に来てほしい」などと批判された。

女子生徒が不登校となり、保護者がいじめ防止対策推進法の「重大事案」として調査を求めたが2年以上にわたり放置された。

教頭と顧問による私文書偽造問題

女子生徒が2018年3月に他校へ転校した際、教頭は生徒や保護者に無断で「転学願」を作成し、無断で名前や住所、転校先の欄を記入した。更に担任でもあった顧問に転校理由を「一身上の理由」と書くように指示し、顧問は従った。

2020年3月、第三者委の調査過程で、保護者や生徒の押印がないなど不審な点が判明し、発覚した。教頭は「生徒側から転学手続きを任されていると認識していた」と隠蔽の意図を否定した。

市教委は「理由の欄に『いじめ』と記入されないよう隠蔽を図ったと見られても仕方ない」と陳謝したが、転校の意思そのものを歪めたわけではないとして、私文書偽造容疑などでの刑事告発は見送るとした。

2021年2月26日、当時の男性教頭と男性顧問が生徒や保護者に無断で「転学届」を作成し、いじめが理由で転校した事実の隠蔽を図った可能性が高いとして「極めて不適切な行為」とし、市教委は教頭を停職1カ月、顧問教諭を戒告の懲戒処分とした。

調査委員会

調査委員会の設置•調査内容

市教委が設置した有識者らで構成する第三者委員会「尼崎市いじめ問題対策審議会」は、同校水泳部で2017年と2019年に起きたいじめ事件について調査した。

調査委員

弁護士や教育専門家らで構成。

調査報告書•その後

2021年3月17日、第三者委員会は、女子生徒が同級生から無視され、嫌がらせ目的で批判されたことと、精神疾患と診断された後も無理解な質問をされたことなどの点をいじめと認定した。顧問が女子生徒や保護者から被害申告を受けたにもかかわらず、十分な対応をせず管理職への迅速な報告も怠ったため、事態が深刻化したと指摘した。顧問は部員同士を和解させようと開いたミーティングの場で逆に女子生徒が責められたり謝罪させられるなどしたことが女子生徒を更に追い詰め、不登校に至らせたと結論付けた。

第三者委員会は、いじめへの学校側の認識を「レベルが低い」と断じ、スポーツ強豪校の同校では体育科が独立組織のようになり、体育科のみで問題解決しようとする風潮が蔓延していることも指摘した。また市教委に対して、高校の不登校に関する調査をせず、転校したことを「解決した」とみなして対応をやめた点について「認識が不十分だった」とした。市教育委員会は、いじめ対応研修の受講を部活動の顧問になる条件としたほか、市立尼崎高校体育科の教官室のガラス張り化、部活毎にある教官室の廃止、市教委への転学•退学者の報告義務化などの再発防止策を打ち出した。

同校で相次ぐいじめ•暴力的指導事件

当該事件の第三者委員会で併せて調査が行われた、2019年夏以降にいじめ被害を訴え不登校になった女子生徒(高校2年生)の事件(尼崎市立尼崎高校水泳部員傷害事件)を始め、同校では2019年4月に男子バレーボール部のコーチが生徒が意識を失うまで平手打ちしていた上、監督の教諭も救急車を呼ばず報告もしなかった暴力事件(尼崎市立尼崎高校男子バレーボール部暴力的指導事件)などが相次いでいる。同年、硬式野球部でも部長の教諭(39歳)が、生徒の頭や胸を強く押すなど10件以上の暴力的指導を加えていた事件(尼崎市立尼崎高校硬式野球部暴力的指導事件)が明らかになっている。

参考資料

“顧問「同性のもめ事、面倒くさい」 いじめの認識不十分” 朝日新聞 (2021年3月28日) 他

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