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熊本県の九州学院高等学校の男子生徒(当時16歳)は、2022年(令和4年)5月以降、所属する運動部の複数の上級生から日常的に殴られたり、「死ね」といった暴言を吐かれたりした。
学校側は、男子生徒の欠席日数が、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」の目安とする年30日間の欠席日数を超えていたが、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」と認定せず、熊本県からの複数回にわたる助言も無視していた。
2025年1月、調査委員会は、男子生徒の不登校は、2022年度に日常的に行われていた部活動の上級生による被害生徒への暴言•暴行などに原因があると結論付けた。
また、いじめの重大事態について、「私立学校単体では十分に調査をするノウハウがない」として、県の支援体制を強化する必要があると指摘した。
事件の経緯
男子生徒は、2022年5月以降、所属する運動部の複数の上級生から日常的に殴られたり、「死ね」といった暴言を吐かれたりした。
同年6月~9月、男子生徒は約40日間欠席した。いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」の目安とする年30日間の欠席日数を超えたが、学校側は、学校から報告を受けた2023年5月以降、複数回にわたって行われた熊本県からの認定の助言を拒み、「重大事態」と認定しなかった。
2023年、学校側は外部からの通報などを受けて調査し、上級生を無期限停学などの処分とした。
同年11月24日、学校は、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」と認定した。
学校側は「重大事態」の認定を6ヶ月以上放置していた理由について、讀賣新聞の取材に「事案を調査する第三者委員会の設置準備が整ったら認定しようと考えていた」と釈明した。
調査委員会
調査委員会の設置
2024年4月、事件発生から2年以上を経過し、ようやく第三者委員会の活動が本格化した。(学校側は、委員の人選に手間取ったことを理由にしている。)
調査委員
弁護士や臨床心理士ら3人で構成。
調査報告書•その後
2025年1月、調査委員会は、男子生徒の不登校は、2022年度に日常的に行われていた部活動の上級生による被害生徒への暴言•暴行などに原因があると結論付けた。
報告書によると、被害生徒は2022年4月以後、同じ部活動の複数の上級生から日常的に暴行や暴言を受けるようになり、これが原因で6月~9月、不登校となり、その後に登校を再開しても別室で個別学習をするようになった。
学校は7月に外部からの連絡で、部内で上級生による暴行があることを知り、調査を開始した。加害者とみられる上級生に停学処分を科すなどしたが、被害生徒の不登校日数がいじめ防止対策推進法による重大事態の目安となる30日間を超えても県に報告しなかった。
第三者委は、学校がこの問題について部に対応を任せきりにするなど、連携や情報共有が不十分だったために対応の遅れに繋がったと指摘した。
また、学校から重大事態の報告をうけた後の県私学振興課の対応についても、第三者委をどのように設置すれば良いのか、学校を十分にサポートしていなかったと指摘した。
被害生徒側は「関係者の記憶も薄れ、事実関係が十分に解明されていない部分がある」「学校の対応の遅滞は明らかであり、不信感は拭い去れない」とのコメントを出した。学校に調査報告書の公表を求めるという。
学校の副校長は取材に対し「報告書を重く受け止め、今後、このようなことが起きないように改善していきたい」と述べた。
参考資料
“熊本の私立高でいじめ「重大事態」…学校側一時認定せず” 讀賣新聞 (2023年11月28日) 他