横須賀市私立高校生自死未遂事件

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2014年(平成26年)5月20日、神奈川県横須賀市の私立高等学校の女子生徒(高校1年生•16歳)は、自死を図り、遅延性意識障害状態になった。遺書に4人の名前と「いじめられてすごいかなしかった。もうたえられない」と書いていた。

校長、副校長、教頭と外部の大学教授ら3名で構成された教育改善委員会は、遺書に名指しされた4人には聴き取りを行わず、学校側は調査前に「いじめによる重大事態とはしない」ことを内部で決めていた。同年12月、調査委員会は、「友人関係内で起こり得る葛藤と著しく逸脱しているということはできない範囲のものであり、”いじめ”と認定することは難しい」と結論付けた。

学校は当初、警察の捜査で原因が判明しなかったとして「重大事態とは判断しない」と主張したが、文部科学省から県を経由して連絡を受け、2016年に第三者委員会を設置した。2020年に県へ提出した調査報告書でも、いじめとの因果関係を否定した。

女子生徒の両親は第三者委員会の調査には不備があるとして県に意見書を送り、県に再調査委員会が設置され、2025年3月、再調査委員会は女子生徒へのいじめを認定し、自殺未遂にも「程度は不明だが影響を及ぼした」と結論付けた。

事件の経緯

2014年5月19日、女子生徒は両親に、5月初旬から仲良くしていた同級生4人の態度が一変し、無視されたり、睨みつけられたり、体当たりされたりして、いじめられている、と訴えていた。女子生徒は2013年に仲の良かった同級生4人から突然無視されたりしていた。同日、担任と養護教諭にいじめを初めて相談したが、4人から確認するなどの対応はなかった。

女子生徒の遺書
女子生徒の遺書
画像出典:TBS NEWS DIG

5月20日午前、女子生徒は自宅の部屋のドアノブで縊死を図り、心肺停止状態で病院に搬送されたが、遅延性意識障害状態になった。遺書に4人の名前と「いじめられてすごいかなしかった。もうたえられない」と書いていた。

調査委員会

調査委員会の設置•調査内容

2014年8月 学校は、学校側と第三者(大学教授やカウンセラー)が委員を務める「教育改善委員会」を設置した。

担任や両親に聴き取りをしたが、遺書に名指しされた4人には聴き取りを行わなかった。また、両親への聴き取りも1時間程度で打ち切られた。

学校側は調査前に「いじめによる重大事態とはしない」ことを内部で決めていた。

調査委員

6名
校長、副校長、教頭と外部の大学教授ら3名。

調査報告書•その後

2014年12月 報告書をまとめる。
報告書で、県警の捜査で刑法に関わる犯罪行為は確認されず、自殺未遂の直接的原因がいじめ行為にあるかは判断できない、とした。
調査委員会は、「入学後1カ月半が経過し、高校生活になじもうと努力するあまりに抱えたストレスが極限に達し、急激なうつ状態に陥ったのではないか」と推察した。
「(4人の)不適切な行為は認められるが、直接的にいじめと認定することは難しい」「生徒は感受性が強く、自殺は衝動的なものだった」との結果を出した。

学校側は当初、警察の捜査で原因が判明しなかったとして「重大事態とは判断しない」と主張したが、文部科学省から県を経由して連絡を受け、2016年に第三者委員会を設置した。

女子生徒の両親の要求で再調査委員会が設置されたが、女子生徒への両親の聴き取りも行われなかった。
委員は第三者のみ。但し、1回目の調査メンバーとほぼ同じだった。
2020年に県へ提出した調査報告書でも、いじめとの因果関係は認定されず、女子生徒の遺書は、「いつどこで見つかったか定かではない」などとされて資料から除外された。

再調査委員会

再調査委員会の設置•調査内容

2021年、女子生徒の両親は第三者委員会の調査には不備があるとして県に意見書を送り、県に再調査委員会が設置されたが、調査開始の時点で発生から7年が経ち、加害者の一部は連絡が取れなくなっていた。

調査報告書

2025年3月、調査報告書は女子生徒へのいじめを認定し、自殺未遂にも「程度は不明だが影響を及ぼした」と結論付けたが、「いじめた理由」はわからないままだった。

報告書は、調査に長い年月がかかった原因の大半は、「学校側の消極的な姿勢」と「法律への無理解」にあり、当初の調査を「法に則った対応ではなかった」と批判した。

民事損害賠償請求訴訟

提訴

2015年2月27日 女子生徒の両親は同級生4人と学校を相手取り、約1億2130万円の損害賠償を求めて提訴した。

同校は「継続的に意地悪な行為があり、それを見逃し指導していなかったら重大だが、担任も含めいじめという認識はなかった」として、加害生徒に対して指導は行なっていない。

一審(横浜地裁)

2016年11月7日 女子生徒の両親の請求を棄却した。
庄司芳男裁判長は、「女子生徒を無視するなど、同級生の態度が変化したのは自殺未遂の当日を含め5日間ほどで、期間は非常に短かった」「同世代の未成熟な少年少女が集団生活を送る中で起こり得る意地悪程度の行為だった」とした。

参考資料

“「娘は目が開いているけど反応はない」いじめの苦痛を訴え自殺未遂。それでも…いじめ認定まで11年 父親の“これまで”と“これから”【news23】” TBS NEWS DIG (2025年4月9日) 他

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