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2023年(令和5年)10月、佐賀県立高志館高等学校において、同級生5人から悪口を言われた生徒が学校を欠席する事態が発生した。その後、教員が同席した話し合いの場で、加害生徒の1人から暴言を受けたことにより、被害生徒は心身に重大な被害を受け、心療内科で「うつに近い不安障害」と診断された。この事案は、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」として、県教育委員会に報告された。
事件の経緯
- 2023年10月:被害生徒が同級生5人から悪口を言われ、学校を8日間欠席した。
- その後:教員同席のもと、加害生徒の1人との話し合いが行われたが、被害生徒は再び暴言を受け、心身に重大な被害を受けた。
- 2023年12月:保護者の訴えを受け、学校は県教育委員会に「重大事態」として報告した。
- 2024年10月9日:県いじめ問題対策委員会が調査結果をまとめ、「いじめに該当する」との答申を県教育委員会に提出した。
調査と対応
県いじめ問題対策委員会は、学校の対応について以下の点を指摘した:
- 話し合いの場で、双方の生徒が相手の主張を受け入れる準備ができていない中で行われたことが、重大事態を招いた。
- 学校が双方の生徒から言い分を丁寧に聴き取るなどの必要があった。
- 複数の教職員が関与するのではなく、窓口を一本化した組織的な対応が必要だった。
高尾兼利委員長(西九州大学教授)は、教員と生徒の信頼関係が重要だとした上で、「相手が傷つかない言葉で表現できるよう、指導を行うことを再確認することが必要だ」と述べた。
また、県教委は事案公表の範囲を見直し、これまで非公表としていた学校名を公表した。理由を「直ちに個人の特定につながるとは考えにくいため」としている。
被害生徒は、現在は通常の生活を送っているという。
影響と再発防止策
この事件を受けて、県教育委員会の副教育長は「答申を重く受け止め、学校の初動対応を徹底していきたい」と述べた。また、県いじめ問題対策委員会は、SNS上でのいじめの拡散防止や、被害生徒の心情に寄り添う支援の重要性を強調した。
参考資料
“悪口言われた生徒、教員同席の話し合いでも加害生徒から暴言…佐賀県立高志館高校でいじめ「重大事態」認定” 讀賣新聞 (2024年10月10日) 他