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元伊丹市立小学校長でミニバスケットボールクラブで指導するクラブコーチの男(71歳)は、2021年(令和3年)4月~2022年4月、阪神間の小学校で練習中、小学校高学年の女児3人を複数回にわたり体育館の舞台袖やミーティングルームに個別に呼び出し、それぞれ複数回にわたって背後から抱きついて胸や下腹部を触ったり、自身の唇を舐めさせたり、舌と舌を絡めさせたりした。
2024年3月13日、神戸地裁伊丹支部は女児らの証言を一部を除き認定し、男に対して懲役4年6か月(求刑懲役7年)を言い渡した。
被害に遭った女児の1人は2021年11月頃に担任へ「ストレッチだと言って体を触られる」と相談したが、担任は「嫌やったら警察に相談したら」と言われ、何ら対処してもらえなかった。判決後、担任への相談が学年主任や教頭に届かなかった理由についてメディアから問われた伊丹市教育委員会は、調査しないことを明言し、何らかの対応を取るつもりもないとした。
刑事裁判
双方の主張
公判では女児らが「ストレッチ」として四つん這いにさせられて胸や下半身を触られ、呼び出された際に男の唇を舐めるよう言われたなどと証言した。男は公判で「被害者はうそをついている」などと終始否認し、何も指導上の身体接触であり、唇を舐めさせるなどした行為については「向こうからキスをしてきた」として無罪を主張した。
一審(神戸地裁伊丹支部)
2024年3月13日、西森英司裁判長は、争点となった女児らの証言の信用性について、被害の一部は「信用できるのではないかという思いもあるが、合理的疑いが残る」として認めなかったが、「多くは具体的で迫真性がある」として起訴事実を認定し、「自身の性欲を満たし続け、常習性が高い」として男に懲役4年6か月(求刑懲役7年)を言い渡した。
その上で、「わいせつ行為の程度がさほど高くないのも、指導を装って事件化されるのを免れようとした狡猾さの表れともいえる」と指摘し、「指導者としての立場や女児らの向上心に乗じた卑劣で悪質な犯行」と断じ、女児らが男性への嫌悪感や不信感を抱くようになるなど健全な育成に相当な悪影響を及ぼす懸念も踏まえ、「刑事責任は誠に重い」と述べた。
事件を機に男性へ嫌悪感や不信感を抱き、鬱病と診断され学校を休みがちになった被害児童もおり、判決もこの点に触れ「被告を信頼して娘をクラブに預けながら、逆に娘の心に大きな傷を負わせることになった母親らの処罰感情が厳しいのは当然」とした。
検察側は、約30年前に「練習中に股間を押し付けられ、被告が家に謝罪に来た」という当時の被害者の証人尋問を請求したが、神戸地裁伊丹支部は「30年も前の出来事は立証証拠としての正当性を欠く」として認めず、明確にはならなかった。
参考資料
“71歳の元校長が女児にわいせつ バスケ練習中「ストレッチ」と体を触る 神戸地裁支部が実刑判決” 神戸新聞 (2024年3月13日) 他