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2024年(令和6年)12月26日午後0時35分頃、福岡県のみやま市立小学校に通う男子児童(小学1年生•7歳)は、担任教諭と20人の児童がいた給食時の教室で、味噌おでんの食材の一つだったウズラの卵を喉に詰まらせて席を立ち、担任の教師が吐かせようとするも卵は出てこず、養護教諭らから救命措置を受けたが窒息し、ドクターヘリで搬送後、病院で死亡した。

(写真提供:みやま市教委)1
2024年12月、調査委員会は教職員の誤嚥事故への認識不足や、十分な救命講習を教職員が受けていなかったことを指摘する内容の調査結果と提言をまとめた。
2025年6月6日、男児の父親は教諭らが注意義務を怠ったとして、みやま市に6000万円の損害賠償を求めて提訴した。
学校給食での死亡事故は過去に相次いでおり、2010年には栃木県真岡市で、小学1年生が給食の白玉を喉に詰まらせて意識不明となり、2013年に死亡した。2015年には大阪市の小学1年生がウズラの卵を喉に詰まらせて亡くなり、2021年には新潟県佐渡市で小学5年生が給食のパンを喉に詰まらせて死亡している。
文部科学省の「食に関する指導の手引」には、給食の窒息事故防止について項目があるが、「よくかんで食べるよう指導する」「担任が注意深く様子を観察する」といった記載に留まり、実際の指導や見守りの方法は現場に任せられている。
調査委員会
調査委員会の設置•調査内容
名称:市学校安全調査委員会
設置主体:みやま市教育委員会
適用:第三者委員会
調査委員
委員長:弁護士
調査報告書•その後
2024年12月、調査委員会は「のどに詰まりやすい食材への認識が教職員に不足し、十分な注意喚起を児童にしていなかった」とし、十分な救命講習を教職員が受けていなかったことを指摘した。一方で「事故の原因は特定できなかった」と結論付けた。また、再発防止策として、喉に詰まりやすい食品を提供する場合には給食の度に教員が注意喚起を行い、教員を対象とした救命講習を拡充することなどを提言した。市も再発防止策を取りまとめることにしているが、未だに公表には至っていない。
男児の父親は報告書の「注意喚起によって必ずしも死亡という結果を回避できるわけではない」とした点について、「注意喚起していれば十分に防げた」などと反論している。
民事損害賠償請求訴訟
提訴
2025年6月6日、男児の父親は教諭らが注意義務を怠ったとして、みやま市に6000万円の損害賠償を求めて福岡地裁柳川支部に提訴した。
訴状によると、2015年に大阪市でも小学生が死亡した事故があり、「丸い形状のものは喉に詰まる危険性が高い」と文部科学省の「食に関する指導」(2019年改訂版)に記載されているとした上で、新任だった担任教諭は危険性についての自覚•認識がなく、発見や救命措置が遅れたと指摘し、ウズラの卵の危険性と喉に詰まらせないように注意するという指導を怠った校長には重大な過失責任があるとしている。
男児の父親は会見で「(市や学校を)絶対に許すことはできない。指導不足でしょうね、学校の。助かっていた命と思います」「7歳の息子がどれほど苦しかったかと思うと、早く自分が助けてあげたかったです。とにかく息子を返してくれと、生きたまま返してくれと。それだけです」「大事な息子を返してくれ。息子は夢や希望がたくさんありました。なぜ息子が死ななければいけなかったのか。十分納得できる説明も受けていない。ちゃんとした謝罪も受けていない。だから裁判に踏み込むことにしました。負けん気が強くて、学校に行くのが大好きで友達を大事にする息子でした。全てにおいて納得ができない。とにかく息子を返してくれと。それだけです」と話している。
みやま市は「ご遺族の訴えを真摯に受け止めるとともに、訴状が届き次第内容を確認のうえ、適切に対応してまいります」とコメントしている。
参考資料
“「とにかく息子を返してくれ」 給食のウズラの卵で小1男児が窒息死 父親がみやま市を提訴 6000万円の損害賠償求める 福岡” テレビ西日本 (2025年6月6日) 他
- “「とにかく息子を返してくれ」 給食のウズラの卵で小1男児が窒息死 父親がみやま市を提訴 6000万円の損害賠償求める 福岡” テレビ西日本 (2025年6月6日)