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2014年(平成26年)5月31日朝、岩手県の滝沢市立滝沢南中学校の男子生徒(中学2年生•13歳)は、1年生の時から特定の女子生徒から毎日のように「ちび、きもい、死ね」などの暴言を吐かれたり、2023年に2人の生徒からカッターナイフで脅されたり、2014年5月には4人の女子生徒から筆入れをひっくり返されて中身を床に落とされるなどの暴行を受けていたことを苦にして、自宅近くの電柱で首吊り自死した。
当初、学校側は男子生徒が亡くなる3週間前に4人の生徒に筆入れを隠されてトイレで泣いていたことや、2023年に男子生徒が2人の生徒からカッターナイフで脅されている姿が目撃され、教員が2人を指導したことなどを説明したが、調査委員会は「男子生徒に対する他の生徒の行為は遊びの延長と考えており、今のところ、いじめという認識はない」としていた。しかし、その後、全校生徒に実施したアンケートで回答者の27%が男子生徒に対しての暴言や暴行を認めたため、「いじめと疑われても仕方が無い事案だった」と結論付けた。
2015年3月25日、第三者委員会は自殺の3週間前に筆入れを隠されてトイレで泣いていた件など計3件をいじめ防止対策推進法に基づく「いじめ」に当たると認定し、「自殺は同級生によるいじめと一定の関連性があった」と認定し、「屈辱的な経験から孤立感を深め、苦痛から逃れるために自死を選んだ」とした。
事件の経緯
2014年5月30日、男子生徒は校内の陸上記録会に参加し、31日は部活の練習に行く予定だったという。同校校長は「(死亡した生徒は)明るくてクラスの人気者だった」と話した。
7月12日、同校校長や市教委関係者ら13人で組織された調査委員会が中間報告を学校で行った。男子生徒が亡くなる3週間前に複数の生徒に筆入れを隠されたりしてトイレで泣いていたことや、去年には生徒2人が男子生徒にカッターナイフを向ける姿が目撃され、教員が2人を指導したことなどが説明された。ただ、調査委員会は「男子生徒に対する他の生徒の行為は遊びの延長と考えており、今のところ、いじめという認識はない」と説明した。しかし、その後、全校生徒に実施したアンケートで、回答者の27%が「いじめを見聞きした」と答え、学校側は遺族に「いじめと疑われても仕方ない」と報告した。
7月18日夜の説明会には保護者およそ300人が集まり、やり取りが4時間近くに渡って行われた。この中で学校側は、調査結果から亡くなった生徒に対して「嫌なことを言われた」「軽く頭をたたかれた」といった行為が認められ、「いじめと疑われても仕方が無い事案だった」と結論付けた。
一方で、いじめの有無については明言せず、「自殺の原因は判断できない」としたため、保護者からは「不十分だ」として第三者による調査を求める意見が出たという。
9月17日、市教委は臨時会議を開き、生徒へのいじめの有無などを調べる第三者委員会の委員5人を決め、いじめの有無や自殺の背景を調べ、同様の事態が再発しないよう提言をまとめるとした。
調査委員会
調査委員会の設置•調査内容
2014年9月26日、遺族の要望を受けて、市教委が第三者調査委員会を設置。
いじめの事実関係、自殺の背景の調査、再発防止の提言を行う。
終了までの目安は約4カ月。
2014年10月29日、第三者委として当該校の全生徒を対象に、独自のアンケートを行う。
調査内容は、どのような学校にしていきたいかなど将来に関することを例示。いじめの有無なども聞く。
記名は「生徒の自主性を尊重」。
生徒が記入したアンケートの中身は学校側には見せない考え。
調査委員
委員5名。氏名公開。
委員は県内。団体推薦。
• 県立大学社会福祉学部教授
• 岩手弁護士会理事
• 精神科医で盛岡市医師会理事
• 臨床心理士で岩手大•県立大学名誉教授
• 県社会福祉士会副会長
2014年11月26日 第6回会議から、報告書作成の補佐役として、県内の弁護士3名が参加。
委員会での記録や報告書作成の補助に当たり、議論には参加しない。
調査報告書•その後
2015年3月25日、第三者委員会は調査報告書(全97頁)を市教委に提出した。報告書では「自殺は同級生によるいじめと一定の関連性があった」と認定し、「屈辱的な経験から孤立感を深め、苦痛から逃れるために自死を選んだ」とした。
調査委によると、生徒は1年生の時から「ちび、きもい、死ね」などと特定の女子生徒から毎日のように悪口やからかいを受け、頭や背中を叩かれていた。2年生になった2014年5月には、4人の女子生徒から筆入れをひっくり返されたり、中身を床に落とされたりした。自殺の3週間前に筆入れを隠されてトイレで泣いていた件に加え、これら2件をいじめ防止対策推進法に基づく「いじめ」に当たると認定した。また、男子生徒はもともと感情を伝えるのが苦手だったと分析した。
市教委は「真摯に受け止め、より一層確かな教育に取り組んでいく」とした。男子生徒の父親は「いじめがあったとする報告を受けて調査委員会には感謝します」とのコメントを出した。
2015年5月上旬、県教委は全県で教訓を共有しいじめの防止を図る目的で、報告書を各市町村へ配布。具体的な取り扱いは各市町村の判断とする。
2015年7月5日、岩手県矢巾町の中2男子生徒がいじめを苦に自殺。(矢巾町立矢巾北中学生自死事件)
矢巾町教委(2015/7/5 いじめ自殺事案発生)は滝沢市第三者委員会の報告書を「黒塗りが多く、読むのが大変」として学校に配布していなった。同市以外の県内の小中学校にも配布されていなかった。
参考資料
“岩手県滝沢市•市立滝沢南中学校いじめ自殺” 地上の涙 他