和水町立中学生自死事件

ADDRESS & CONTACT


GPS

32.97811, 130.60572

ウェブ


OPENING HOURS

CLAIM LISTING


Is info on this listing outdated? Are you owner of this business? Register and claim it now.

2012年(平成24年)7月10日、熊本県の和水(なごみ)町立中学校の男子生徒(中学3年生•14歳)は、他の生徒から石を投げられたり、首を絞められて失神させられたり、女子トイレにスリッパを投げ込まれたり、制服のズボンを脱がされかけたりするなどの暴行を受けたことを苦にして自宅で自死した。

男子生徒の衣服のポケットから「つらかった」との内容と、いじめた数人の生徒の名前が書かれたメモが見つかり、事件後に学校が全校生徒を対象に実施したアンケートにも男子生徒に対する暴行の回答があったが、学校や教育長は「いじめはなかった」と断定し、いじめの有無を調査しなかった。

2014年4月4日、調査委員会は11件のいじめを認定し、「自殺の要因の一つとなった可能性は否定できない」との報告書を公表した。

2016年3月4日、熊本地裁で①町は解決金350万円を支払う②首を絞められ失神させられた、女性の名前で呼ばれからかわれた、スボンに入った虫を押しつぶされた、などのいじめがあったと町が認める③町は男子生徒が自殺した当時の教育長や校長が当初「いじめはなかった」とした発言を撤回し、両親に陳謝するΧ町は再発防止に努めるという条件で和解が成立した。

事件の経緯

2012年7月10日、男子生徒が自宅で自死した。衣服のポケットから「つらかった」との内容と、いじめた数人の生徒の名前が書かれたメモが見つかった

学校が全校生徒を対象に無記名のアンケートを実施した結果、男子生徒が他の生徒から石を投げられたり、首を絞められて失神させられたり、女子トイレにスリッパを投げ込まれたり、制服のズボンを脱がされかけたりするなどの暴行を受けていたことが判明した。

8月、井上忠勝町教育長は「からかいや意地悪、悪ふざけのいじめがあった」としながらも、「精査した中ではいじめが(自殺に)直接原因となるようなことはなかったというのが揺るぎない信念」として、いじめと自殺との因果関係を否定した。

調査委員会

調査委員会の設置•調査内容

2013年3月11日、坂梨豊昭町長はいじめの可能性があると主張する両親の求めに応じ、第三者委員会を設置して調査することを明らかにした。(6月から調査開始)

町が準備した委員会規則案に対し、遺族側からの修正•追加の要請のうち、学校と町教委の対応が適切だったかの考察と再発防止の提言を盛り込む。

調査委員

委員 5名。氏名公開。
委員長:大学教育学部教授
副委員長:弁護士
委員:教職員の教育相談室代表
NPO法人
臨床心理士会•大学准教授

調査委員 2名
弁護士、弁護士

調査報告書•その後

2014年4月4日、調査委員会は生徒へのいじめ行為11件を認定し、「自殺の要因の一つとなった可能性は否定できない」との報告書(全186頁)を公表した。

「中2の時に、友人に首を絞められ失神するなどのいじめを受けていた」「(男子生徒がネ ット上で知り合った)女性の名で度々呼ばれ、繰り返しはやし立てられた」「自作の伝言ボードに中傷の落書きをされた」などの行為をいじめと認定した。学校や町教委は「いじめはなかった」と判断したが、その点についても「対応に問題を残す」と指摘した。自殺の原因については、「本人の性格や家庭環境、学校生活が複雑に関係し合って生じたと考えられた」としたものの、いじめも一因になったと判断した。

報告書では、男子生徒が生前、「自分がいじめられている」と県外の知人に伝えていたことが、町が全文開示した第三者調査委員会による調査報告書の記述で分かった。このケースでは生徒の遺書が確認されておらず、いじめの有無が焦点となってきたが、本人が周囲からの行為をいじめと認識していたことが初めて明らかになった。
報告書によると、生徒はインターネットの交流サイトで知り合った県外の女性と電話でもやりとりをするようになり、中学1年のときに「自分はいじめられている」「学校が嫌、面倒くさい」と伝えていた。第三者委による聞き取り調査に女性が答えた。女性は当時、生徒に学校へ行くよう助言したという。
生徒の発言は1年のときだが、第三者委が認定したいじめ11件のうち少なくとも5件は、2年の3学期から自殺直前の7月までの行為だった。時期が特定されていないものもあり、いじめは長期にわたっていたとみられる。
発言に関して第三者委は報告書で「『いじめられている』と他人に話した唯一の情報」と注目。県外の知人に話した点を捉え、「身近にいない人間だからこそ、本音を漏らした可能性も否定できない」と指摘している。

和水町のウェブサイトで報告書を公開(2014年5月29日発表、1か月間のみ、その後は町 役場で閲覧可)

民事損害賠償請求訴訟

提訴

生徒の両親は町に総額1100万円の損害賠償を求め、2014年10月に提訴。2014年12月19日、訴訟の第1回口頭弁論が熊本地裁で行われた。町は請求の棄却を求め、争う姿勢を示した。

訴状では「教諭らはいじめと認識せず、自殺を予見できたのに放置していた」と指摘。自殺後、当時の校長や町教育長が早期にいじめがなかったと断定したのは、事実関係の調査が早い段階で必要としている文部科学省の通達に反すると主張した。損害の合計額を計約8970万円と算定した上で、「賠償金目的ではなく、息子の無念を晴らし、再発防止のため」として、両親の意向で8分の1程度の額に留めたとした。

和解(熊本地裁)

2016年3月4日、熊本地裁(中村心裁判長)で和解が成立した。町側がいじめがあったことを認めるなどし、解決金350万円を支払う内容で、福原秀治和水町長が法廷で男子生徒の父親に直接謝罪した。

主な和解内容は①町は解決金350万円を支払う②首を絞められ失神させられた、女性の名前で呼ばれからかわれた、スボンに入った虫を押しつぶされた、などのいじめがあったと町が認める③町は男子生徒が自殺した当時の教育長や校長が当初「いじめはなかった」とした発言を撤回し、両親に陳謝するΧ町は再発防止に努める。

和解では、いじめと自殺の因果関係の有無には触れられなかったが、両親の代理人弁護士は同日の記者会見で「いじめを認め、解決金を払い、(条項には)『自死という結果を重く受け止め、いじめ防止に努める』と書いてあり、因果関係を認めたものと理解している」と話した。
父親は「裁判の場でも、町がいじめを認めた。裁判を起こしたことには意味があったが、全てが解明できたとは言えない。裁判が終わっても息子は帰ってこない。私たちのような思いをする人が二度と現れないように願う」と語った。福原町長は「厳しい教訓とし、いじめ防止に努める。遺族に対する不適切な対応を重ねておわびする」とのコメントを出した。

参考資料

熊本県和水•町立中学校いじめ自殺地上の涙

この記事をSNSでシェア!

FEATURES & SERVICES

LOCATION ON MAP

CONTACT OWNER

NEW SEARCH

この記事をSNSでシェア!
テキストのコピーはできません。