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2018年(平成30年)5月、北海道の札幌市立高等学校に通う女子生徒(高校1年生)は、下校中に同学年の男子生徒に体を触られる性暴力を受け、不登校となり、3か月後に心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された。
女子生徒側は、弁護士ら有識者からなる市オンブズマンに苦情を申し立てた。2019年3月に市に通知されたオンブズマンの調査結果は、被害生徒への配慮が十分ではなかったと学校側の対応を批判した。いじめ防止対策推進法で定めた重大事態に相当すると指摘し、「本格的な検証」も求めた。しかし、市教委は事件をいじめより重大な刑事事件の性犯罪と判断して警察の捜査に委ね、いじめ重大事態に当たるかどうかの検討をせず、いじめ重大事態と認定しなかった。
女子生徒の両親は再び通えるような環境を整えるよう市教委や学校に何度も求め、当時のスクールカウンセラーも加害生徒の登校が再開すれば被害生徒(女子生徒)の復帰が難しくなると学校側に助言したが、学校側は助言を拒絶し、加害生徒の登校を再開させた。そのため、女子生徒は復学が叶わぬまま退学を余儀なくされた。
札幌市が公表した重大事態の発生件数について、2018年度の件数が0だったことを不審に思った女子生徒は、2024年末に市長宛に「6年経ちますが、現在もPTSD(心的外傷後ストレス障害)と双極性障害に苦しめられています」「大学で教育を受けたり、安定した職についたりは諦めざるを得ない状況です」などと自身の被害を訴えるメールを送った。これを切っ掛けに局面が急変し、市教委は2025年5月にこの事案が重大事態に当たると認定した。
性暴力の問題に詳しい小川たまか氏は、この事件について「学校内での児童•生徒による性暴力を含むいじめ事案(盗撮や覗き含む)は、加害側が「未成年で将来がある」という理由から軽い処分で済まされてしまいがちです。しかし、被害者の将来はどうなるのでしょうか。このケースのように、スクールカウンセラーが助言をしている場合であっても、加害者側の登校再開が優先されることがあるのは驚きでしかありません。」と学校の対応を厳しく批判している。
参考資料
“8年前の性暴力、札幌市が「いじめ重大事態」調査 見送りの判断一転” 朝日新聞 (2026年1月5日) 他