相馬市立原町第一中学生自死事件

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2017年(平成29年)2月11日、福島県の相馬市立原町第一中学校の女子生徒(中学2年生•14歳)が自宅で自死した。
女子生徒は2016年7月のアンケートで「いじめを受けたことがある」と回答していた。2017年1月下旬には複数の生徒から『ばい菌』扱いされたと泣きながら帰宅したことがあり、嫌がらせを受けたと学校側に訴えていた。女子生徒は2017年に入ってから登校はしていたものの、保健室で過ごすこともあった。

2018年2月19日 第三者委員会は「複数の男子生徒から悪口を言われるなど継続的ないじめが自殺の主な要因」と認定する調査結果をまとめた。

事件の経緯

女子生徒はソフトテニス部に所属していたが、部活動は休みがちだった。細かい気配りができ、お菓子作りが好きで、家庭訪問の時には担任にお菓子をくれる、優しい子だったという。裁縫も好きで、妹のために人形の服を作ってあげたりもしていた。

2016年7月 女子生徒はアンケートで「いじめられたことがある」と回答していた。学校側が確認したところ、同学年の複数の男子生徒から「汚い」などと言葉や態度によるいじめを受けていたという。学校側で加害生徒を個別指導し、女子生徒をケアするなどしていた。

10月 女子生徒はアンケートで「いじめは受けていない」と回答していたため、学校はいじめが収まったと判断し、様子などを注視していた。

2017年1月末 再び女子生徒から、教室内で複数の男子生徒から「体をぶつけられる」などの嫌がらせを受けているとの訴えがあり、学校は対応策を検討していた。他人の筆箱に机を擦りつけられたり、わざと体をぶつけられたりしていたという。

2月11日 女子生徒が自室で首を吊っているのを親が見つけ、病院に搬送されたが死亡が確認された。女子生徒は前日まで登校していたが、教室に入れず、直近の数日間は保健室にいたという。
当日は変わった様子はなく、夕食も家族で普段通りに取ったという。遺書は見つからなかったが、「学校に行きたくない」などと書かれたノートがあった。

2月13日 学校は全校集会を開いて女子生徒の自殺を説明した。
同校に通う生徒は、「みんなから避けられているような感じでした」と語った。ある生徒は、福島中央テレビの取材に「いつも笑顔で優しい子だった。昨日聞いた時はショックだった」と答えた。

2月14日 女子生徒の父親が報道機関の取材に応じ、女子生徒の名前を公表した。「『汚れる』と言われたり、物を投げられたりしたという。家族思いの優しい子だったのに」と話した。父親によると、「1月下旬、複数の生徒から『ばい菌』扱いされたと、泣きながら帰宅したことがあった」という。

父親によると、女子生徒は1月、教室で複数の生徒に囲まれ「ばい菌が付く」などと悪口を言われた。2月に入り、登校しても保健室で過ごすことが多かったが、亡くなる前日の10日は放課後まで教室で過ごし、「今日は一日教室にいた。頑張った」と話していたという。
父親は「14年間育ててきたものが一瞬で亡くなったことが、まだ信じられない」と目を真っ赤にして取材に応じ、「学校と市教育委員会はしっかり調査してほしい」と求めた。

父親によると、女子生徒が亡くなった日の夜、「明日の全校集会では病気が悪化した、病死という発表をしてもよいか」と校長から電話があったという。市教委の阿部貞康教育長は報道機関の取材に「その事実については校長先生から聞いてない。もし校長先生がそういう風におっしゃったとすれば、推測だが、ご遺族の方への配慮もあったのかと思う」と答えた。

市教委は同日の記者会見でいじめがあったことを認め、「いじめが自殺の一因になった可能性がある」として、月内にも第三者委員会を設置して経緯を調査する方針を明らかにした。阿部貞康教育長は「将来を担う大切な命を守り切れず、心からお詫びする」とする一方、「いじめだけが自殺の主要因だとは考えていない」との見解を示した。

市教委の木村浩之事務局長は「いじめによる自殺とは断定できないが、いじめを認識し、指導もし、見守っていたのにこうした結果を防げなかったことは反省しなければならない」と述べた。

14日夜に学校は保護者説明会を開き、一連の経緯を説明した。学校によると約300人が参加し、校長が「学校に対する不信感を持たせ、生徒への大きなショックを与える結果になり申し訳ない」と謝罪した。保護者からは「いじめに対する指導が甘かったのでは」「なぜ、いじめの予兆に気付けなかったのか」との指摘が出たという。
また、同校は、生徒に動揺が広がっていると判断し、14日からの学年末テストを20日からに延期した。

調査委員会

調査委員会の設置•調査内容

2017年2月14日 市教委は、弁護士ら第三者による調査委員会を2月中にも設置すると発表した。
一方で教育長は「いじめだけが自殺の主要因だとは考えていない」との見解を示した。

市いじめ問題対策委員会は、加害生徒約10人を含む130人近くの関係者への聞き取りを実施した。

調査委員

弁護士ら
委員長:若杉裕二弁護士

報告書•その後

2018年2月19日(全120頁)
「複数の男子生徒から悪口を言われるなど継続的ないじめが自殺の主な要因」と認定する調査結果を答申した。

女子生徒は1年生の時から複数の男子生徒に悪口を言われ、2年生になると「汚い」と言われたり、名前に「菌」を付けて呼ばれたりした。筆箱を汚いもののように投げ合う嫌がらせも受けた。

学校はいじめを把握していたが、第三者委は「情報が一部の教員で抱え込まれていた」「週1回の生徒指導会議は経過報告で終わることが多かった」と対応に問題があったと指摘した。

当該中学校には教員、保護者らでつくるいじめ対策委員会が設置されていたが、「対策委の存在が教員に周知されておらず、対応は担任任せ。学校組織を挙げて対処すべき事案だった」と指摘した。

2月29日 遺族に第三者委員会から報告書について説明があり、翌20日に写しを交付。
加害生徒の名前や女子生徒への学校への対応などの一部が非開示となっており、ほとんどが黒塗りだったページもあった。
両親は、いじめを受けて泣きながら帰宅した女子生徒を無理に通学させる気はなかった。だが、報告書には父親が「翌日は学校に行かせる」と述べたと記載されるなど、明らかな事実誤認もあったという。

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