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2019年(令和元年)7月、滋賀県の守山市立中学校の生徒は、授業の課題を提出した際、男性教員2人が「クラスメートの提出物と順番をわざと入れ替えた」と誤って認識し、それをいじめ行為と見做して強く叱った。更に2020年6月、生徒が欠席していた間に配られたプリントを提出できなかったことについて教員1人が強く叱る不適切な指導が行われた。
生徒は2021年2月に鬱病と解離性健忘と診断され、2021年6月に自死未遂をして現在も体調を崩し、当時の教員と校長は2023年2月に生徒に対して直接謝罪した。しかし、生徒は「叱られた際に『お前みたいな人間を最低な人間って言うんやぞ』と教員に言われ、『最低な人間』と言わされた」と主張し、これに対して教員は「そのような発言はしていない」と否定していて、生徒側は謝罪を受け入れていない。
2024年2月29日に会見した守山市教育委員会の飯島秀子教育部長は、「今も心身に不調をきたしていることは大変残念で、深くお詫び申し上げます。教員から誠意ある再度の謝罪が必要だと考えていて、今後も本人や保護者の気持ちに寄り添い、対応を続けていきます」と陳謝した。
3月26日 森中高史市長は調査を行う第三者委員会について「設置することは考えていない」と述べた。森中市長は、「教員の威圧的な言動や不適切な指導が原因で、元生徒が自殺未遂を起こしたのは申し訳ない」とした上で、設置しない理由として「元生徒側と教員側の間で指導内容について認識に相違があり平行線の状態になっている。指導を受けた場には元生徒と教員2人しかおらず、第三者調査委員会を設置しても新たな事実が出てくることはないと思われる」と述べた。「保護者に納得いただけていないのは残念。認識の相違を埋める努力をしたい」とした。教員らの処分に関しては「不適切な指導が繰り返されているわけではなく、現時点では考えていない」とした。
4月3日 市民が第三者委員会の設置や原因究明などを求める1,102筆の署名を市教委に提出した。署名を提出した同市の英会話スクール代表大西由紀子さんは、「元生徒と家族は長い間苦しんでいる。市民の不信を払拭すべく努力してほしい」と述べた。元生徒は、教員に似た人を見かけるだけで殺されるのではないかと恐怖を感じていると語り、「授業中にみんなの前で怒鳴られたり、話を聞かずに決めつけて怒られたりしたことなどが忘れられず、苦しんでいるのを知ってほしい」と訴えた。
同年9月、市教委は再発防止の観点から、教員が自身の指導方法を見直し、子どもたちに向き合えるようにするため、ガイドラインを作成した。ガイドラインはA4判6ページで、文部科学省が示す体罰や不適切な行為の事例を示した上で、暴言や行き過ぎた指導は体罰同様に許されないとしている。▽自分が上という「おごり」の気持ちを捨てる▽客観的な情報をもとに子どもが納得できる指導をすることなどを求めている。660部作成し、市内の小中学校などの教員に配り、研修を実施した。
参考資料
“中学校で不適切指導 元生徒は現在も体調を崩す 守山市教委” NHK (2024年2月29日)
“市立中学教員の不適切指導を苦に元生徒が自殺未遂 市長「第三者委の設置は考えず」” 京都新聞 (2024年3月26日)
“教員の不適切指導を苦に自殺未遂、市民らが第三者委設置求め署名提出” 京都新聞 (2024年4月3日)