宮城県工業高校生不適切指導自死事件

ADDRESS & CONTACT


GPS

38.248722, 140.86975


OPENING HOURS

CLAIM LISTING


Is info on this listing outdated? Are you owner of this business? Register and claim it now.

2018年(平成30年)8月21日、宮城県工業高校の男子生徒(高校1年生•15歳)は、夏休みの最終日に自宅で自死した。

男子生徒は4月の入学直後から、担任の男性教諭に徹夜をしなければ終わらないほどの課題提出を求められ、「これはリポートではない、やり直せ」と突き返されるなどし、6月頃には部活動へ参加することも禁じられた。男子生徒は母親に「先生が俺にだけ強く当たる」と話していた。また担任は男子生徒宅に弔問の際、夏休み前に別件で男子生徒を叱ったと話したという。

男子生徒の父親は否定しているが、県教委は「遺族が公表を望んでいない」と学校から報告を受けたとして、生徒の自死を明らかにしていなかった。
学校は一部を除き、在校生に男子生徒の自殺を知らせていなかったため、県教委は「自死を前提とした調査は難しい」と判断した。自殺前に校内で実施したいじめアンケートの結果を踏まえ、「今回はいじめが原因と特定できないケースで、学校に再調査を指示しなかった」という。

2021年3月26日 調査委員会は、リポート提出の遅れや反省文などが心理的な負担となったことや、生徒の悩みを教員が連携して把握する仕組みがなかったことが重大な結果を起こしたとした。特定の教員による指導を自殺の原因とはしなかったものの、複数の教員の指導などによって「複合的に生徒を追い詰めた」と結論付けた。

調査委員会

調査委員会の設置•調査内容

2018年10月31日 父親は県教育委員会に対し、担任の男性教諭から日常的に罵声を浴びせられたり、部活動を禁じられたりしたことが原因として、県と県教委に第三者委員会での調査を要請した。

県教委は、「いじめ防止対策調査委員会特別部会」を設置した。
2018年12月22日 第1回会議

2019年1月 第三者委員会は全校生を対象にアンケートを実施した。
940人中507人から回答があり、「担任教諭が男子生徒に対し、おびえさせるような指導をしているのを見たか」と問う項目で、「見た」との回答が複数あった。男子生徒から「先生が怖い」と相談を受けた生徒もいた。同様の指導を受けたとの回答もあった。暴力を振るわれたとの事実は確認できなかった。

調査委員

6名
部会長:長谷川啓三東北大名誉教授(臨床心理学)
野口和人東北大学大学院教育学部教授(教育心理学) (長谷川委員長の後任)
奥山優佳(ゆか)東北文教大学短期大学部子ども学科教授(教育学)
北島みどり弁護士
神(じん)春美宮城県人権擁護委員連合会副会長•仙台人権擁護委員協議会副会長
内藤裕子東北福祉大学総合福祉学部福祉心理学科准教授•臨床心理士
細川潔(きよし)弁護士

報告書

2021年3月26日 調査委員会は、リポート提出の遅れや反省文などが心理的な負担となったことや、生徒の悩みを教員が連携して把握する仕組みがなかったことが重大な結果を起こしたとした。特定の教員による指導を自殺の原因とはしなかったものの、複数の教員による指導などによって「複合的に生徒を追い詰めた」と結論付けた。

報告書によると、生徒はリポートの未提出を叱責され反省文を書かされたり、「学習ノート」作成のため部活動を休まされたりした。

中学時代から課題提出に苦手意識があり悩んでいた様子だったが、教員間の情報共有が不足し、適切な支援がなされず生徒の負担感が強まったと指摘。「相談できる環境がなく追い詰められてしまったのではないか」と言及した。一方、指導方法に問題があったとまでは言えないとした。

生徒が亡くなった後の高校や県教委の対応については、遺族に学校内の聞き取り調査の結果を報告せず、校長の弔問が遅れたことなどを挙げて、「非難に値する」とした。

2021年3月26日 「調査報告書【公表版】」(PDF:1MB)

参考資料

<仙台•高1自殺>おびえるような指導「見た」 全校調査に複数回答 河北新報 (2019年2月17日) 他

この記事をSNSでシェア!

FEATURES & SERVICES

LOCATION ON MAP

CONTACT OWNER

NEW SEARCH

この記事をSNSでシェア!
テキストのコピーはできません。