野田市立小学生自死事件

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2019年(令和元年)7月13日、6月からクラスで同じ班になった児童から机を離されたり、机の上に教科書を立てて壁を作られたり、配られたプリントや落とした鉛筆を投げるように渡されたりするなどの嫌がらせを日常的に受けていた野田市立小学校の男子児童(小学6年生)は、国語の授業で音読に詰まったことを、この児童から「練習してないじゃん」と詰られたことを苦にして、午前中の土曜授業に出席した後、自宅で自死した。男児は下校時、友人に「おれは暴言をはかれている」などと話し、帰宅後も母親にそのように話していた。

2021年2月、調査委員会は男児に対するいじめがあったことは認定したが、自殺の主な原因とは判断しなかった。
2025年5月、再調査委員会は「いじめと自死に直接的な因果関係が認められる」とした。

調査委員会

調査委員会の設置•調査内容

2019年7月 遺族が調査を望んだこともあり、市教育委員会は「重大事態」として第三者委員会(野田市いじめ問題対策委員会)を設置した。

男児が通っていた小学校の6年生約130人や担任らに聞き取りをするなど調査を続けた。

調査委員

委員長:金子英孝聖徳大学児童学部児童学科教授

調査報告書

2021年2月8日 いじめがあったことは認定したものの、自殺の主な原因とは判断せず、目立つ児童への支援を教職員が積極的に行いがちだと問題提起し、「SOSを出すことが苦手な子への支援のあり方」を念頭に置いた再発防止策を要望した。

第三者委員会は男児が受けた行動について「高学年の学生生活ではしばしば見られるありふれた行為」とする一方で、「心理的な影響を与える行為」と捉え、累積が相当のストレスになったのではと指摘。男児は友人に「嫌だ、ひと泡ふかせてやりたい」と話しており、いじめがあったと認定した。

一方で、どの時点で自殺を決意したかを結論づける情報は得られなかったという。男児は規律を守り思いやりがある性格だが、いじめについて相談するべき内容かどうか分からず1人で苦しみ、周囲に心境の重大さが伝わらなかったことが考えられると説明。机を離されるなどしたことはストレスになりうるが、第三者委員会は「いじめだけが、明らかに自殺の要因であるとは判断できなかった」とし、「衝動的に自殺を選択してしまったと推察した」と結論付けた。

学校では、教師が机を離された行為に気付き、「つけなさい」と声かけをしたものの、男児の抱えていた悩みに気付かなかったという。

第三者委員会は、いじめ防止対策の環境が学校で整っていたとしたうえで「それが十分に機能していたとは言い難い」と指摘し、子どもたちの行動について「なぜ」と思うことが、子どもたちの関係を把握できる可能性について言及。「いじめ防止の授業」の実施や、教職員への自殺予防の研修の実施などを提言した。

再調査委員会

再調査委員会の設置•調査内容

遺族から再調査を求める所見書が出されたことと、野田市が行政法律相談を委託している弁護士から、いじめが自殺の主な要因と判断しなかったことについて「理由が具体的に示されていない」と指摘を受けて野田市は調査報告書を出した第三者委員会とは別のメンバーによる第三者委員会(野田市いじめ問題再調査委員会)を設置した。

再調査委は、当時の児童らへの聞き取りを計12回実施し、計25回にわたる審議をして事実関係の認定に努めた。遺族側とも複数回面会したという。

調査委員

委員長:濱口佳和国立大学法人筑波大学人間系教授
委員長職務代理者:田村誠志弁護士(千葉県弁護士会)
委員:長浜有平弁護士(千葉県弁護士会)
難波江玲子氏(一般社団法人千葉県公認心理師協会•公認心理師)
細井尚人氏(公益社団法人千葉県医師会•精神科医)

調査報告書•その後

2025年5月28日、男児が同級生から受けた行為のうち、席を離された▽プリントや落とした鉛筆を投げて渡された▽無視された、などの6つの行為をいじめと判断し、その上で、同時期に男児が学習ノートに「SOS 助けて欲しい むしされる 自殺したい」などと書き残したことは、同級生のいじめが男児に「自殺したいという思い(自殺念慮)を抱かせたと認めるのが自然」と結論付けた

答申後に市役所で会見した濱口委員長は「子どもの自殺は、大人には信じられないようなささいなことがきっかけで生じることもある」と指摘し、男児が学習ノートに「SOS」などと書いたことを「客観的な資料として重視、証拠の一つとした」と述べた。

野田市いじめ問題再調査委員会 調査報告書」(PDF:5MB)

答申を受けた鈴木有市長は「結果を重く受け止め、市を挙げ再発防止に取り組む」などとするコメントを出した。

参考資料

“千葉•野田の小6自殺、再調査で「いじめが原因」 ノートにSOS” 朝日新聞 (2025年5月28日) 他

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