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2021年(令和3年)5月26日、埼玉県の加須市立小学校に通う女子児童(小学3年生)は、同級生の女子児童から胸部を殴られるなどして心的外傷後ストレス障害(PTSD)になり、不登校になった。
事件発生の2日後に女子児童の保護者が警察に相談し、同日、学校は市教委に事案を報告したが、いじめ防止対策推進法の「重大事態」に当たると認定して、発生を市長に報告したのは2022年1月になってからで、市教委と学校の対応の遅れが指摘された。
2023年9月、加須市いじめ問題調査審議会は、女子児童が同級生から殴られたことをいじめと認め、いじめが起因して心的外傷後ストレス障害(PTSD)になり、不登校に至ったと認定した。「不登校が30日を超えた時点でも調査を開始できず、市長への報告もしなかった。保護者の要望を受けた後も含め、重大事態に迅速に対応すべきだった」として、学校側の対応を厳しく批判した。
事件の経緯
2021年5月26日 女子児童は同級生からのいじめを避けようと同級生の手を掴み、同級生が払い除ける際に胸部を殴られた。女子児童の保護者は以前から同じ同級生からのいじめを学校に再三訴えていた。
5月28日、女子児童の保護者は警察に相談し、同日、学校は市教委に事案を報告した。警察は5月31日に学校で関係者に聴取を行った。
学校と市教委は事態を把握しながら、いじめ防止対策推進法が「いじめにより児童の心身などに重大な被害が生じたと疑われるとき」と定める「重大事態」とは認めなかった。
女子児童は登校できなくなり、同年7月に不登校の判断目安の欠席日数年間30日を超えたが、学校と市教委は同法が別途規定する「いじめを伴う不登校による重大事態」にも認定しなかった。
同年10月、女子児童の保護者は校長に対して「重大事態」として扱うように要望したが叶わず、女子児童は同年12月、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された。数日後、学校と市教委は、二つの重大事態を認定した。
2022年1月 学校と市教委はいじめ防止対策推進法の「重大事態」に当たると認定し、市長に報告した。
2月10日 保護者の申し入れに基づき、報告を受けた市教委は、事故報告書を埼玉県教委に提出した。
調査委員会
調査委員会の設置•調査内容
2022年2月17日 学校及び市教委は「重大事態」であると判断し、市教委は第三者によるいじめ問題調査審議会を設置し、調査を開始した。
調査委員
会長:福島秀年弁護士(所属:加須法律事務所)
委員:青木智子平成国際大学法学部教授(分野:有識者)
加藤誠加藤こどもクリニック院長(分野:医療)
遠藤義彦加須市スクールカウンセラー(分野:心理)
加藤道雄退職校長会長(分野:教育)
臨時委員:水國照充平成国際大学スポーツ健康学部准教授(分野:有識者)
(審議会委員の遠藤義彦スクールカウンセラーについては、事件の加害者に対して、2019年にカウンセリングを行っており、関係者に該当するため、審議には参加していない。そのため、臨床心理士と公認心理師の資格を有し、他市においてスクールカウンセラースーパーバイザーを務めている水國照充平成国際大学スポーツ健康学部准教授を臨時委員に委嘱している。)
調査報告書
2023年9月中旬 報告書は、女子児童が同級生から殴られたことをいじめと認め、いじめが起因して心的外傷後ストレス障害(PTSD)になり、不登校に至ったと認定した。「不登校が30日を超えた時点でも調査を開始できず、市長への報告もしなかった。保護者の要望を受けた後も含め、重大事態に迅速に対応すべきだった」として、学校側の対応を厳しく批判した。
「加須市いじめ問題調査審議会調査報告書(公表版)」(PDF:869KB)
事件の教訓
学校は当初、被害を受けた女子児童の別室登校を勧めたが、いじめられた子の方が別室登校になるのはおかしいという保護者の訴えで、加害児童は加須市立教育センターに通級することになった。この対応が他の学校でも踏襲されることを望む。