富士川町立小学生暴行傷害事件

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山梨県の富士川町立中学校に通っていた男子児童(小学2年生)は、2022年(令和4年)4月から同じクラスの2人の児童からの言葉による揶揄いから、加害生徒Aによる首絞めやナイフ型の段ボールカッターを目に向けて振り下ろして脅すなどの暴行を繰り返し受けて不登校に追い込まれ、県外転校を余儀なくされた。

当初、学校側は適切な対応を取らず、後に母親が請求した面談記録には、担任が相談を受けて同級生に対応し、謝罪をしたという虚偽の内容が記載されていたが、2023年2月に男子児童が同級生3人にいじめられていると母親が警察に相談すると児童から聞き取り調査を行うなど態度を一変させた。

2024年11月、調査委員会の報告書が保護者に提示されたが、事件発生当日に担任に伝えていたカッター事件について学校は10月の面談で初めて知ったことにされていた。また、首絞め事件も当初から相談していたが、母親が警察に相談に行ったことで初めて学校が知ったことにされていた。母親は調査委員会に対して「事実ではない報告について」という文書で具体的に指摘したが、反映されなかった。

2025年7月17日、町教委は男子児童が不登校になったのは同級生3人のいじめが原因と認定したが、被害児童が訴えていて町教委も重大事態に該当すると判断した「悪口」と「段ボールカッターを突きつけられたこと」、「首を絞められたこと」の3つの被害のうち「悪口」のみをいじめ行為と認定した。

事件の経緯

男児は生まれつき疲れやすい体質のため、主治医のアドバイスに従って、遅刻や早退をしながら登校していた。そのことで、別の2人に「楽しい授業がある時だけ来て、ずるい」「さぼってやんの」と揶揄われた。

加害児童Aは、休み時間に教室や校庭で被害児童の首を絞め付け、被害児童が苦しむのを面白がって繰り返していた。加害児童からの暴行は教師が見ていないところで起きており、被害児童が教師に助けを求めても、教師は「僕は見ていない」「本当にあったの?」などと言い、被害児童の話を十分に聞くことはなかった。Aからの首絞めは繰り返し(4月中に数回)行われ、被害児童は「先生も助けてくれないのにどうしたらいいんだ」と恐怖のために学校に行くことを嫌がるようになった。

4月22日、加害児童Aはナイフ型の段ボールカッターを被害児童の目に向けて振り下ろし脅した。被害児童の母親は学校に車で迎えに行くと、被害児童は「A君がカッターを目に向けて振り下ろし、脅した」「怖いから思い出したくない」「怖い」と言って号泣した。母親はその日のうちに担任に電話をしたが、担任は「わかりました」と答え、翌週、クラス全員に「カッターを使っていたずらをした、よくない使い方をした人がいると聞いた」として、クラスの児童全員を集めて「正しいカッターの使い方」を指導したが、児童らに事情を聞くことも注意することもしなかった。指導の際、担任はカッターを掌に当てて「これ、本当に切れるのかな」と引いたところ切れてしまい、児童らの前で血が出た。それを見て被害児童はフラッシュバックが起こり、下校時に前回と同じ状態になった。母親はその日の夕方、再び担任に電話して事情を説明した。「どうして、相手の子を注意しなかったのか?」と尋ねると、担任は「僕が(カッター事件を)見ていないので、聞けません」と答えた。その言葉を受けて、母親は「見ていなくて、犯人扱いするのが嫌なら、せめて事情を聞くことはできるのでは?」と尋ねたが、担任ははっきりとした態度を示さず、誤魔化された。Aの加害行動を訴える被害児童の言葉に担任が全く耳を貸さない状況になり、被害児童は登校できなくなった。担任は被害児童の兄の担任でもあり、その時は丁寧な対応をしており母親は信頼していたが、急に話を聞いてくれなくなったと感じていた。

被害児童は「今度、首を絞められたらどうしたらいいのか?」「周りの先生は助けてくれない」と言うようになり、秋頃に精神的に不安定になり、病院に通うようになった。9月30日の担任との三者面談で、被害児童は「いじめの対応についてもっとこうすればいいんじゃないか」と言ったり、加害児童のストレスを心配して「厳しくするのではなく、先生も親も話を聞いてほしい」などと15分くらい話したが、黙って聞いていた担任は、最後に「個人の価値観だからね」と口にした。三者面談の最後に母親が「このままですか?」と聞くと、担任は「このままでいいとは思っていない」と言った。母親は「スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーに間に入ってもらって、交通整理をした方がいい。いろんな人が関わった方がいい」と、スクールカウンセラーのスケジュールを調べた上で提案すると、担任は「そうしようと思います」と項垂れた。(後に母親が個人情報開示を請求して閲覧した面談記録には、「担任が、母親と被害児童に揶揄いについて相談されて同級生に対応した」という説明と「謝罪をした」という虚偽の内容が記載されていた。)

被害児童は10月の運動会以後一切外に出られなくなり、気持ちの変化が激しくなって、「家族以外が敵のように見える」と言い出した。
二学期の通信簿では、欠席の理由は「家庭の事情」になっていた。母親は「この時から揉み消されている」と感じていた。

2023年1月、母親は学校を訪れて「今後、対応しないのであれば、外部に通報します」と伝え、特に連絡はなかったために、2月に入って警察に相談した。母親がいじめに関して警察に話をするために、被害生徒の話を聞きながら文書でまとめていた時に、「カッターが出しっぱなしだった」と担任がカッターの保管ミスを初めて認めた。後日、警察は母親に対して「学校の対応は誠実とは言えない。学校は教育委員会に報告したと言っているが、念の為、直接、教育委員会に相談するように」とアドバイスした。母親は教育委員会にいじめの事実を説明し、第三者委員会の設置を要望した。学校は警察の事情聴取を受け、この時、一旦はいじめの事実を認めた。

同年2月、母親が警察に相談した後に学校が児童から聞き取った調査では「(カッターは)置きっぱなしだったこともある」「たたかうようにふり回すポーズをした」「先生がいないときにやった」「先生が使ってもいいと言ったので先生がいないときに使った」「1日置きっ放しのときもあった」と証言されていたが、個人情報開示で明らかにされた資料の中では、同級生の児童が「戦いのポーズをとったことがある」と証言し、「プロレスごっこ」や「戦いごっこ」も認めていたが、被害児童の目の近くにカッターを振り下ろしたことは認めていなかった。

調査委員会

調査委員会の設置•調査内容

2023年3月、「富士川町立いじめ問題専門委員会」が設置された。

調査報告書•その後

2024年11月、報告者が保護者に提示された。
「カッター事件」のことについては、授業でカッターを使ったこと、カッターでA君とB君が遊んでいたこと、指導の際に(担任の不注意により手を切ってしまい出血する状況)は認めているが、すぐに担任に連絡したことは消されており、学校は10月の面談で初めて知ったことにされていた。首絞めの件も、当初から相談していたが、警察に相談に行ったことで初めて学校が知ったことにされていた。

三者面談の記録など、かなりの部分が事実ではない記述が多かったために、調査委員会に対して、母親は「事実ではない報告について」という文書で具体的に指摘したが、反映されなかった。

2024年9月19日 「富士川町立小学校いじめ重大事態に関する調査報告書」(PDF:2MB)

2022年4月25日 「富士川町立小学校いじめ重大事態に関する所見書」(PDF:2MB)

再調査委員会

調査報告書•その後

2025年7月17日、富士川町教育委員会は、男子児童が不登校になったのは同級生3人のいじめが原因と認められると発表した。被害児童は「悪口」と「段ボールカッターを突きつけられたこと」、「首を絞められたこと」の3つの被害を訴え、町教委はこれらがいじめの重大事態に該当すると判断したが、専門委員会は「悪口」のみをいじめ行為と認定した。

町教委は学校や担任教師に再発防止に努めるよう指導したという。

被害児童の現在

県外に転校した被害児童は、取材に対して「最近はいろんなことが、うまくいっています。今、学校と戦っている子たちには『苦しくて、悔しくて、同じことしか考えられなくなったら、思い切って旅に出るといいよ。違う景色を見たら、変わるから』と伝えたいです。悪いことを隠した本人(担任の先生)や学校の偉い先生たちは、これからも隠し通すことで、どんな人生になっちゃうのかなって、気になっています」と話している1

  1. “担任に相談しても「いじめ放置」、山梨小2児童「首絞めやカッターでおどし」県外転校に追い込まれる” 弁護士ドットコムニュース (2025年6月1日)
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