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兵庫県の加古川市立小学校の女子児童(小学2年生)は、2018年(平成30年)4月の入学直後から、複数の同級生に顔や胸を叩かれるなどの暴行を受け、翌5月から不登校になった。
女児の両親は、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」と認めるように求めたが市教育委員会は拒否し、2019年1月に保護者側の弁護士から指摘されると態度を豹変させ、重大事態として第三者委員会の設置を検討するとし、いじめが分かってから1年8か月後の2020年1月に認定した。
女児は、以前は運動が好きで活発な子だったが、いじめによる重いPTSD(心的外傷後ストレス障害)のため、家に籠り、突然叫んだり、窓に向かってものを投げつけたりするなどの異常行動が続いている。
事件の経緯
女子児童は市立幼稚園に通っていた頃から、複数の児童から叩かれるなどの暴力を受けていた。両親は担任教諭に相談したが、「あり得ない」「園に口出ししないでほしい」などと頭ごなしに否定された。結局、中心となっていじめていた子どもや保護者から謝罪すらなかった。
幼稚園と小学校は同じ加古川市立だったが、幼稚園でのいじめの件は引き継がれず、女児は加害児童と同じクラスに入れられた。女児は入学後も、同じ児童らから蹴られたり、つねられたりする暴力を受け続け、女児の体の痣や傷があり、2018年5月にいじめ被害を告白した。
女児に対するいじめの被害が発覚して、女児の両親が女児を学校に連れて行った際、校長たちは「娘さんは集団生活に慣れていない」「コミュニケーションがすらすらとできない」などと、女児に非があるかのような言い方をされた。いじめの内容すら明らかになっていない段階で、「聞き取りによる加害児童へのストレスが大きい」という理由で調査の継続を拒み、加害児童への配慮を優先した。
同年7月、女子児童の両親は、市教委にいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」として調査することを求めたが拒否された。しかし、2019年1月に保護者側の弁護士から指摘されると態度を豹変させ、重大事態として第三者委員会の設置を検討するとした。
2019年10月、市いじめ防止対策評価検証委員会は、重大事態とするように市教委に要望を提出した。
市教委は、2020年3月2日の会見で、2018年5月に両親からの訴えを受け、他の児童に聞き取るなどして、同級生6人によるいじめを認定したと明らかにしたが、その後の不登校は「いじめが原因ではない」と判断し、女児が登校できるように支援しており、「両親や子どもに寄り添って対応してきたつもりだった。理解いただけていなかった。認識が違ってしまったのは非常に残念」とコメントした。
女児の両親は、市教委に対して、「対応の遅さ、事実を矮小化しようとする態度に、ただ不信感が募る。それがどれだけ被害者と家族を傷つけるか、考えてほしい。見て見ぬふりをしないでほしい。」と語っている。
加古川市では、2016年にも加古川市立神吉中学校剣道部員自死事件が起きており、第三者委員会の報告書において「女子生徒がいじめを訴え、学校が把握する機会が何度もあったのに、何も対応しなかったことが自殺につながった」と結論付けられている。
参考資料
“小2女児いじめ被害 保護者会見の一問一答” 神戸新聞NEXT (2020年3月2日) 他