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2019年(平成31年)、湖西市立中学校の女子生徒(中学2年生)は、部活動で同級生からいじめを受けて不登校になった。
学校は2019年5月に被害を把握していたが、重大事態に認定されたのは2年半後の2021年10月だった。
2023年5月11日 第三者委員会は女子生徒に対するいじめを認定し、女子生徒の不登校が30日間を超えた2019年11月の時点で学校側はいじめの重大事態と認めるべきだったと指摘し、学校や市教委の対応を不適切と批判した。
2025年8月14日、市は「文科省のガイドラインに則った調査が適切に行われ、大きな瑕疵はなかった」として、被害者の両親に再調査しないことを伝えた。
事件の経緯
2019年 女子生徒は同じ部活動に所属する同級生の一部から、距離を置かれたり、女子生徒に怖いと思わせるような言動をされた。
学校は同年5月に被害を把握しながら、重大事態に認定されたのは2021年10月で、2年半掛かっていた。
これについて湖西市教委は「家族からの要望で、本人からの聞き取りができず、判断に時間がかかった」としたが、女子生徒の家族は「学校にそのような要望をしていない。本人が学校側に被害を訴えていた」と反論している。
女子生徒は14歳でうつ病を発症し、薬を飲まなければ眠れなくなり、1日に何回も立ちくらみが起きるなどしたために、進路も限られた。
調査委員会
調査委員会の設置•調査内容
2021年4月19日 女子生徒の保護者は市教育長に調査委員会の設置を申し立てた。
2021年11月16日 市教委は「湖西市いじめ問題調査委員会」を設置し、第1回委員会が開催された。
調査委員
委員長:原理也弁護士(静岡県弁護士会)
委員:宮本健浜松医療センター小児科部長
外山舞公認心理師
原田唯司静岡大学名誉教授(元静岡大学大学院教育学研究科教授)
調査報告書
2023年5月11日 女子生徒に対する「いじめに該当する行為(同じ部活動に所属する同級生の一部が、女子生徒と距離を置き、女子生徒に怖いと思わせるような言動)はあった」と認定した。
女子生徒の不登校が30日間を超えた2019年11月の時点で、学校側はいじめの重大事態と認めるべきだったと指摘し、学校や市教委の対応を不適切と批判した。
2023年5月11日 「いじめ重大事態にかかる調査報告書」(PDF:764KB)
事件のその後
女子生徒の両親は報告書に対する意見書で「調査対象になる市教委の下に(調査を行う)第三者委があっても機能するとは思えない」と主張した。母親は「第三者委にたどり着いた時、子どもの心は既に傷つき、とても通学できる状態ではない。いじめの芽を摘む活動をしてほしい」と市教委に要望した。
2023年6月6日夜 調査委員会が女子生徒へのいじめを認定したことを受けて、市教委の渡辺宜宏教育長ら教育委員会の3人は市新居地域センターで女子生徒の両親と面会して「お子さんの気持ちに学校、市教委が十分寄り添って対応できず、長期間、苦しませた。本当に申し訳ございませんでした」と謝罪した。「いじめの重大事態が二度と起こらないように対応したい」と再発防止を誓った。
教育委員会からは、再発防止に向けて、弁護士や有識者でつくる常設の第三者委員会を設ける準備を進めていることや、夏休み期間中に校長、教頭、教諭を対象にしたいじめ防止対策推進法の理解を促す研修を予定していること、機能しなかった学校内のいじめ対策組織の見直しなどが説明された。
これに対して女子生徒の母親は教育委員会に対し、いじめ問題を学校に任せず、積極的に介入していじめの芽を摘む市の直轄の部署を作ることや、関わった教員に対して厳しい処分を行うことなどを求めた。
謝罪を受けた後で、女子生徒の母親は「報告書に対し、『説明や謝罪がない』などとする所見を私たちが出したあとに急に謝罪されても本当に反省しているのかと感じている。これからは教諭たちにいじめを見過ごすことなく、子どものことを第一に考えた対応を取ってもらいたい」と話した。
2025年8月14日、田内浩之市長は「文科省のガイドラインに則った調査が適切に行われ、大きな瑕疵はなかった」として、被害者の両親と面会し再調査しないことを伝えた。
被害者の母親は「2年以上待たされて検証委員会はやらない。再調査もしない。(娘は)苦しんでいるのに、それを市の関係者がちゃんと調査しないのは納得がいかないです。」と話している。
参考資料
“湖西市の中学校でのいじめ問題 市長が被害者側に“再調査しない”との回答 被害者母「納得いかない」” Daiichi TV (2025年8月17日) 他