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熊本県立湧心館高等学校の女子生徒(高校1年生)は、2020年(令和2年)7月頃から、同級生に仲間外れにされ、体育のバドミントンで得点板に自身の得点を入れてもらえないなどのいじめを受け、精神的な苦痛から転校を余儀なくされた。
女子生徒の訴えを受けて第三者委員会が設置されたが、調査報告書の提出までに約2年を要した。
2023年10月20日、調査報告書は女子生徒が受けた行為の一部をいじめと認定し、学校側の初期対応が不十分であり、迅速な対応がなされていれば、被害生徒の転校や精神疾患の発症という深刻な影響を防げた可能性があると指摘した。また、当時の教頭が、実際には行っていない家庭訪問を「実施した」と報告書に記載するなどの行為により、保護者の不信感が深まり、学校への信頼感が損なわれたと指摘した。
事件の経緯
女子生徒は、2020年7月頃から、同級生に昼食時に一緒に食べるよう誘われず、仲間外れにされた。また、体育の授業中にバドミントンの試合で得点しても、得点板に点数を入れてもらえないなどのいじめを受けた。
これらの行為により、女子生徒は精神的に追い詰められ、2021年3月末にうつ病と診断され、他校へ転向した。
調査委員会
調査委員会の設置•調査内容
女子生徒の訴えを受け、学校は2021年4月に県教委に報告した。これを受けて、県教委は第三者委員会を設置し、調査を開始した。
調査委員
委員長:木村真也弁護士(熊本県弁護士会)
委員:疋田忠寛臨床心理士(熊本県臨床心理士•公認心理師協会 臨床心理士•公認心理師)
西岡克啓精神保健福祉士(熊本県精神保健福祉士協会)
坂本眞奈美社会福祉士(熊本県スクールソーシャルワーカー)
調査報告書•その後
2023年10月20日 第三者委員会は調査報告書を学校に提出し、以下の点を指摘した。
- 女子生徒が受けた同級生に仲間外れにされたことと、体育の授業中にバドミントンの試合で得点板に自身の得点を入れてもらえなかったことなど3件をいじめと認定した。また、周囲から悪口を言われるなどした2件については認定は困難としたが、同級生との関係性を把握する上で重要だとした。
- 2020年12月の校内会議で学校側は一部の行為をいじめと確認していたが、その時点で十分な事実確認や情報収集を行わなかった。また、女子生徒が定期試験の保健室受験を求めた際、学校側が適切に対応しなかった。学校が教育委員会に提出した報告書を保護者に見せる際、当時の教頭がその一部を削除•修正していたことが判明した。それらに加えて学校内での情報共有が徹底されておらず、これら学校側の初期対応は不十分であり、迅速な対応がなされていれば、被害生徒の転校や精神疾患の発症という深刻な影響を防げた可能性がある。
- 学校が教育委員会に提出した報告書を保護者に見せる際、当時の教頭が、実際には行っていない家庭訪問を「実施した」と報告書に記載するなど、保護者への報告書の削除•修正が不適切であり、保護者の不信感を深めた。
2023年10月20日 「調査報告書」(PDF:9MB)
参考資料
“熊本県立湧心館高校でいじめ、バドミントンで得点しても得点板は加点されず…虚偽報告も” 讀賣新聞 (2023年10月21日) 他