長野県丸子実業高校バレーボール部員自死事件

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2005年(平成17年)12月6日に長野県丸子実業高等学校(現•長野県丸子修学館高等学校)の男子生徒(高校1年生•16歳)は、所属するバレーボール部内でのいじめや暴力を苦にして自宅で首吊り自死した。
男子生徒はバレーボール部内でのいじめや暴力を訴えていたが、学校は対応策を取らず、校長が約束した加害生徒と校長の謝罪文も貰えず、学校は登校拒否を続ける男子生徒に「このままだと留年になる」と登校を促していた。

男子生徒の自死の原因がバレーボール部でのいじめにあったと主張する母親と、それを否定するバレーボール部関係者の間で民事裁判が争われ、「同級生がハンガーで頭を叩いた行為は自殺した生徒の心理に与えた影響は大きい」として上級生1名に1万円の損害賠償が命じられたが、バレーボール部員等が男子生徒の母親に精神的苦痛を受けたとして逆提訴した裁判では、男子生徒の母親がバレーボール部員等に計約34万円の損害賠償が命じられた。(確定)

また、校長から男子生徒の母親と代理人弁護士に対して起こされた裁判では、「原告校長の社会的評価を低下させ、名誉を傷付けた」として、男子生徒の母親と弁護士に計165万円の支払いと謝罪広告の掲載を命じた判決が下された。(確定)

事件の経緯

男子生徒は中学生時代に声帯に異常を発症し、大きな声が出せないなどの状況だった。バレーボール部の上級生は男子生徒に対して、生徒の声を真似てからかう、ハンガーで頭を殴るなどのいじめを継続的に行うようになり、いじめが原因で男子生徒は不登校になり、病院で「希死念慮を発現しているなどのうつ状態がみられ、加療を要する」と診断された。

男子生徒の母親が学校側に善処を申し入れ、男子生徒も「いじめられている」と訴えた手紙を学校や長野県教育委員会に提出したが、学校側はいじめの事実を認めず、配慮を行わなかった。
学校側が「このままでは出席日数不足で留年となる可能性がある」という通知を発送した直後に、「いじめを苦にしている」と解釈できる遺書を残して男子生徒は自死した。

男子生徒をハンガーで殴るなどの暴行を行った上級生については、男子生徒が警察に被害届を出していたために刑事事件としての捜査が行われ、上級生5人は2006年5月に暴行容疑で書類送検され、その後家裁送致の処分となった。

刑事裁判

2006年1月 男子生徒の母親は、「うつ病を発症して希死念慮も出現しているという診断書を学校側に提出しているにもかかわらず、学校側の対応で生徒を精神的に追い込み、病状を悪化させて死に至らしめた」「記者会見で(生徒の)名誉を傷つける発言を繰り返した」として、校長を殺人と名誉毀損容疑で告訴した。校長は書類送検されたが、不起訴処分となった。

民事損害賠償請求訴訟

遺族の損害賠償訴訟とバレーボール部関係者から遺族への訴訟

2006年3月10日 男子生徒の母親は、いじめや暴力を行っていたバレーボール部員とその両親、学校の校長、学校を管理する長野県を相手取り、1億3000万円の損害賠償を求めて提訴した。

2006年10月31日 バレーボール部の監督を務めている教諭とその家族、いじめを中心的に行ったとされる上級生とその両親、バレーボール部員30人が共同で、「いじめも暴力も事実無根で、生徒の母親のでっち上げ。母親の行為で精神的苦痛を受けた」などとして、生徒の母親を相手取って3000万円の損害賠償訴訟を提訴した。

一審判決

2009年3月6日 長野地裁において、男子生徒の母親の損害賠償訴訟に関しては、「同級生がハンガーで頭を叩いた行為は自殺した生徒の心理に与えた影響は大きい」とした上でハンガーで生徒の頭部を殴った上級生のうち1人の行為については、1万円の損害賠償を命じたが、「学校生活が最大のストレス原因であったかは疑問」「学校や県に指導や監督義務違反があったとまでは言えない」と指摘し、男子生徒の母親の主張を退ける判決が下された。また、男子生徒の母親に対し損害賠償を求めていた裁判では原告30人のうち23人が精神的苦痛を被ったことなどを認め、あわせて約34万円の支払いを命じる判決を下した。男子生徒の母親はこの判決を不服とし、2010年3月12日に東京高等裁判所に控訴したが、2010年10月14日付けで控訴を取下げたことにより、長野地方裁判所での判決が確定した。

校長から遺族に対する損害賠償請求訴訟

2009年6月 校長から長野地方裁判所上田支部に遺族とその弁護士に対し損害賠償請求が起こされた。請求には、新聞社に校長が無実である広告の掲載や、ブログに校長に対して自殺した高校生の母親による謝罪文の数ヶ月の掲載を求める内容も含まれている。

一審判決

2011年1月14日 長野地裁上田支部において、「原告校長の社会的評価を低下させ、名誉を傷付けた」として、母親と弁護士に計165万円の支払いと謝罪広告の掲載を命じた判決が下された。

なお、高見澤昭治弁護士は、法律上の根拠がないことを容易に認識し得たにもかかわらず校長を殺人罪で告訴し、さらに、記者会見の際に独自の見解に基づいて校長があたかも殺人を犯したかのように発言し校長の名誉と社会的信用を棄損したとして、2012年に東京弁護士会により懲戒処分された。

外部リンク

丸子実業高校生 いじめ 自殺事件
男子生徒の母親のmixiアカウント

参考図書

モンスターマザー:長野•丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い

モンスターマザー:長野•丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い福田ますみ(著) / 新潮社出版 / 2016年2月18日
<内容>
第22回編集者が選ぶ 雑誌ジャーナリズム賞作品賞 受賞!
〈息子を自殺で失った母〉、しかしその実態は「恐るべき怪物」だった。

たった一人の母親が学校を崩壊させた。
不登校の高一男子が自殺した。久々の登校を目前に──
かねてから学校の責任を追及していた母親は、学校に全責任があると校長を殺人罪で刑事告訴する。
人権派弁護士、県会議員、マスコミも加勢しての執拗な追及に、高校は崩壊寸前まで追い込まれ、教師と同級生、保護者たちも精神的に追い詰められていく。
だが教師たちは真実を求め、法廷での対決を決意した。
前代未聞の裁判で明らかになっていったのは、子供を死に追い込んだ母親の「狂気」だった。
どの教育現場にも起こり得る「恐るべき現実」を描ききった戦慄のノンストップホラーノンフィクション。
「被害者」の皮を被った「加害者」に気をつけろ!

参考資料

丸子実業高校バレーボール部員自殺事件Wikipedia

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