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2018年(平成30年)の夏前に、私立奈良学園中学校の女子生徒(中学1年生)が、テスト結果を聞かれて順位を答えたところ、元々不真面目で態度を注意されることの多かった所属する卓球部の男子数人に暴言を吐かれるようになった。冬になると、「死ね」「ウザい」などと言われたり、試合では「負けろ」とヤジを飛ばされた。また、女子生徒が拾った球を「汚い」と言われて踏み潰されたり、わざと球を当てられたりもした。ミーティング中、女子生徒を嘲笑し、バカにするような目で見ることもあった。これらの執拗ないじめのために女子生徒はPTSDを発症し、転校を余儀なくされた。女子生徒は、成績は学年トップクラスで、放課後は卓球部の活動に励んでいたが、転校を強いられ、重症のPTSDのために医師になる夢を諦めなければならなくなった。女子生徒は、「人生を台無しにされた」「加害者や周囲は大したことないと思うかもしれないが、被害者にはずっとその影響が残る」と語っている。
2021年3月 女子生徒からの要望を受けて学校が設置した第三者委員会は、重大ないじめ事態に早期介入しなかった学校の責任を指摘し、被害者の心情に寄り添う指導ができていなかったことと、いじめに関する指導が不十分であったことを認めたが、事実認定といじめに該当するかどうかの判定に注力しており、被害者の気持ちを軽視したものであった。
2024年4月 「どういう事象があってどういう傷つきがあったのかを分析しないと、再発防止にならない」(代理人弁護士)として要請された再調査委員会は、教職員や学校側にいじめに対する認識の甘さや初期対応の不備があったとする報告書を発表し、奈良県は2024年度に改訂する予定のいじめ防止基本方針に報告書の提言を盛り込むこととした。
学校と教育委員会の対応
2019年夏 女子生徒から被害を打ち明けられた母親が卓球部顧問に連絡すると、顧問からは、「他に原因があるのでは」「男子には注意している」などと言われた。
女子生徒が朝、起きられなくなると、学校からは(加害者ではなく、被害者である女子生徒に対して)別室登校を提案された。
女子生徒が加害男子らと顔を合わせるのも怖いと訴えていたにも拘らず、校長は「部活を男子と女子で分けるのはどうか」と言われ、女子生徒は「ないがしろにされている」と感じてショックを受けた。
調査委員会
調査委員会の設置•調査内容
2020年 学校はいじめ重大事態として第三者委員会を設置した。
女子生徒にも聞き取り調査を行った。
調査報告書
2021年3月 第三者委員会は、重大ないじめ事態に早期介入しなかった学校の責任を指摘し、被害者の心情に寄り添う指導ができていなかったことと、いじめに関する指導が不十分であったことを認めたが、事実認定といじめに該当するかどうかの判定に注力しており、被害者の気持ちを軽視したものであった。
2021年3月 「奈良学園中学校「いじめ重大事態調査委員会」報告書(公表版)」(PDF:384KB)
再調査委員会
再調査委員会の設置•調査内容
2022年秋 女子生徒と保護者から「調査されていない別のいじめがあった」と奈良県に要請があり、県による再調査委員会が設置された。
2022年10月13日から2024年7月23日まで全28回開催された。
調査委員
委員長:山口芳子弁護士(奈良弁護士会)
常任委員:池田忠池坊短期大学•嵯峨美術大学非常勤講師 京都市総合教育センター参与(教育学識経験者)
宿谷仁美あやめ池カウンセリグオフィス代表(臨床心理士•公認心理師)
専門委員:松井大輔弁護士(奈良弁護士会)
調査報告書
2024年8月5日 教職員や学校側にいじめに対する認識の甘さや初期対応の不備があったとする調査報告書が公表された。指摘を受けて、県は2024年度に改訂する予定のいじめ防止基本方針に報告書の提言を盛り込むこととした。
2024年4月 「奈良県いじめ問題再調査委員会報告書(公表版)」(PDF:505KB)