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大阪府の私立清風南海高等学校に通う男子生徒は、複数の同級生から体をつねられたり、LINEで好意があるよう装ったなりすましメッセージを女子生徒に送られたりする精神的暴力を受け、2024年5月から不登校になった。
男子生徒は出席日数の不足による留年を余儀なくされ、「同じ学年で2年を超えて在籍できない」とする内部規定を理由に学校側から除籍処分を通知された。
学校側は遅くとも2024年6月以降には男子生徒側から何度も被害を伝えられていたにもかかわらず、1年4か月後の2025年10月にようやくいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」と認定して第三者委員会を設置したが、調査結果を待たずに男子生徒の除籍処分を決定した。
2026年2月27日、大阪地裁堺支部は、いじめ防止対策推進法に基づく重大事態を調査中であっても処分を取り消さなかった学校側の判断は「社会通念上著しく妥当性を欠き、裁量権の範囲を超えているとは認められない」として、処分の取り消しを求めた男子生徒側の請求を却下した。
事件の経緯
男子生徒は2024年度、中高一貫の中学校から内部進学した。
男子生徒は、複数の同級生から体をつねられたり、LINEで好意があるよう装ったなりすましメッセージを女子生徒に送られたりするいじめを受け、2024年5月から不登校となった。
2024年12月、男子生徒は学校側から出席日数の不足による留年の通知を受けた。
2025年7月、男子生徒は「同じ学年で2年を超えて在籍できない」とする内部規定を理由に、2026年3月末での除籍処分を通知された。
男子生徒が同校側から受け取った書面や大阪府教育庁私学課への取材によると、学校は2025年10月、「重大事態」と認定し、弁護士らでつくる第三者委員会を設置した。
男子生徒は、学校が除籍処分を取り下げないことから、2025年12月、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」で第三者委員会が調査中なのに3月末で学校を除籍処分にされるのは不当だとして、同校の運営法人に処分の差し止めを求める仮処分を大阪地裁堺支部に申し立てた。
男子生徒側は書面で、遅くとも2024年6月以降、学校側に何度もいじめ被害を伝えていたとし、「適正な調査が行われなかったため、不登校が長期化した」と主張しており、これに対して同校側は書面で、進級するには出席日数や成績の評価が必要だとし、「除籍処分は内部規定に沿った適切な措置だ」と反論している。
男子生徒は取材に「不登校の原因を調査中なのに、学校から追い出されるのは理不尽だ」と語った。同校は第三者委が調査中であることは認めた上で、「守秘義務があり、コメントできない」としている。私学課は取材に、同校の対応の是非について「判断しない」とした上で、「各学校は様々な要因を考慮し、柔軟な姿勢で児童生徒に向き合ってほしい」としている。
千葉大学の藤川大祐教授(教育方法学)は、「学校側に改善を促すことも第三者委設置の目的で、その調査結果が出る前に除籍にするのは前代未聞だ。いじめが不登校の原因である可能性を踏まえると、出席日数による機械的な判断は不適切だろう」と話している。
2026年2月27日、大阪地裁堺支部(山田裕章裁判官)は、学校側は別室でのテストや授業に対応し、「欠席を回避するための一定の措置を講じた」と認定し、学校設置の第三者委が2025年10月以降、いじめ防止対策推進法に基づく重大事態として生徒のいじめ被害の訴えを調査しているが、処分を取り消さなかった学校側の判断は「社会通念上著しく妥当を欠き、裁量権の範囲を超えているとは認められない」として、男子生徒の請求を却下する決定を出した。
参考資料
“いじめ「重大事態」調査中に除籍、大阪•私立高生徒が差し止め申請…学校側「内部規定に沿った適切な措置」” 讀賣新聞 (2026年3月1日) 他