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宮城県の私立仙台育英高等学校のサッカー部に所属する男子生徒は、1年生だった2023年(令和5年)春頃から他の複数の部員から「うざい」「デブ」など容姿を揶揄する暴言を繰り返し浴びせられ、2024年に病院で「抑うつ症状」と診断された。2025年11月現在も通院を続けている。
学校側の発表によると、学校がいじめを把握したのは2025年10月14日といい、男子部員がサッカー部の指導者に「部活に出られない」と訴えたことで発覚した。(後に、男子部員は2024年5月にも学校職員に被害を相談していたことが明らかになっており、学校側は「前回の対応が不十分だった可能性がある」としている。)
学校はいじめ防止対策推進法に基づいて調査を開始しており、暴言を吐いたとされるのは主に同学年の複数部員だという。詳しい内容については「調査中」としている。
仙台育英サッカー部は同年11月2日、全国高校サッカー選手権宮城県大会の決勝で聖和学園高校に勝利し、2年ぶりに優勝した。
学校はいじめを把握していたが、「辞退を判断するには調査時間が不足していたため、被害生徒と保護者の了承を得て出場した」と説明している。
仙台育英サッカー部は、全国高校サッカー選手権の全国大会出場権を獲得しているが、学校側は対外活動の停止も視野に入れて、全ての部活動でいじめがないかなどを調査することにしている。
仙台育英高校は県内最多となる37回の全国大会出場を誇る強豪校。
社会の反応
2025年11月4日、精神科医/産業医の井上智介氏は学校側が発表した『被害生徒と保護者の了承を得て出場した』という見解について、「この言葉は“配慮”を装っているものの、”誰が責任を引き受けるか”を巧妙に分散させていますね。『辞退すべきか迷ったけど、当事者もOK出してくれたから出場した』という免罪符に聞こえます。
調査中でも、もし被害生徒が辞退希望したら、辞退したのか。そもそも、強豪校で、被害者は『辞退してほしいと言えば…無関係のチームメイトの努力も壊してしまう…』と思って本心を言えないでしょう。
今回、本来の学校がやるべきなのは「出場していいですか?」と被害生徒に確認することではなかった。『ここまで調査が必要な状況を起こしてしまった我々は、結果が出るまで出場を辞退する』と、責任を自らの手で取る誠意を被害者に伝えることだったはず。
被害生徒がみた優勝は、どう映っていたのでしょう。大歓声のなか、自分の居場所だけが静まり返っているような孤独を感じていないことを願っています。」とコメントしている。
参考資料
“仙台育英サッカー部「いじめ重大事態」 男子部員が去年5月にも相談 学校「対応が不十分だった」〈宮城〉” 仙台放送 (2025年11月5日) 他