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2019年(平成31年)4月30日、茨城県の高萩市立高萩中学校の女子生徒(中学3年生•15歳)は、所属していた卓球部の男性顧問による部員に対する暴力を苦にして自宅の自分の部屋で自死した。女子生徒が自筆で残したメモには、顧問教諭が卓球部の部活中、全部員に対し「ばかやろう」「殺すぞ」などと発言した他、物を床に投げ付けたり、複数の部員の肩を小突いたりしたことなどが記されていたという。
2018年9月 女子生徒は学校のアンケートに「学校は楽しいけれども、部活動はつまらない。やっているとイライラする」と記していた。
2019年3月15日 女子生徒は登校していたが、練習に出なくなっていた。
3月20日 教育委員会に、指導に関する匿名の相談が寄せられ、学校側が教諭を指導し、部活の様子を見守るなどしていた。
2021年3月25日 第三者委員会は、女子生徒の自殺の原因は、複合的で「単純明快な説明は困難」とした。
2021年5月24日 顧問教諭の部員に対する暴行が確認され、県教委は教諭を減給10分の1、9か月の懲戒処分とした。
調査委員会
調査委員会の設置•調査内容
2019年7月 市教委は、いじめ防止対策推進法に基づき、弁護士などの外部委員で作る「いじめ問題対策委員会」(第三者委員会)の設置を決定した。
女子生徒の自殺について、事実関係と実態の把握と再発防止策の提言を求めた。
調査内容は方法、提言の時期は今後委員会で検討する。
調査委員
6人
弁護士2人、大学教授2人、児童相談所職員1人、臨床心理士1人
委員長:茂手木克好弁護士
調査報告書
2021年3月25日 第三者委は自殺の原因は、複合的で「単純明快な説明は困難」とした。
また、報告書では「リストカットや抑うつ的な訴えといったSOSが何度も出ていたにもかかわらず、学校も家庭も適切な対応が取れなかった」、「部活動の意義を逸脱した勝利至上主義が顧問の威圧的指導を助長した」などと問題点を指摘した。
再発防止策の提言では、学校や自治体の自殺予防対策の不十分さと共に、部活動の問題点についても言及した。「勝利経験が生徒の成長を促すとの考えから、試合に勝つための厳しい練習を肯定する見解は、生徒の自主的•自発的な参加という部活動の本来の意義を逸脱している」と指摘した。部活動の参加が事実上義務化されている点は改める必要性があるとした。
遺族が非公開を望んだため、自殺に至った理由など具体的な記述部分は黒塗りで公表された。
2021年3月22日 「調査報告書【概要】」(PDF版:579KB)
2021年5月24日 調査の結果、2018年から2019年にかけて、部員の肩を小突いたり、「ぶっ殺すぞ」などと暴言を発しながら胸ぐらを掴んだりといった、不適切な指導を行っていたことが確認できたとして、県教育委員会は、男性教諭を減給10分の1、9か月の懲戒処分とした。一方、第三者委員会の報告書が指導と自殺の因果関係を認めていないことを踏まえ、自殺自体は「処分理由に加味しない」と説明した。