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2014年(平成26年)2月22日、兵庫県のたつの市立御津中学校の男子生徒(中学2年生•14歳)は、いじめを止めようとした喧嘩で相手生徒に怪我を負わせ、その生徒が教諭の提案で警察に被害届を出したことと、学年集会で教師から「14歳以上は犯罪になる。鑑別所、刑務所に行く」と指導されたことを悩み、自宅で自死した。
2015年7月3日 調査委員会は、男子生徒が起こしたトラブルは喧嘩ではなく「一方的な暴行事件」であり、学年集会で教諭が行った説諭は不適切ではなかったと判断したが、自殺の理由については「不明」であるとした。
事件の経緯
1月27日 男子生徒は同級生の男子に暴行を加えて怪我を負わせた。翌日、教諭の提案で同級生の保護者が警察に被害届を出した。
教諭の1人はトラブルの後、男子生徒も出席していた学年集会で、13歳以下の「触法少年」と14歳以上の違いを説明し、「14歳以上は犯罪になる。鑑別所、刑務所に行く」と指導したという。
男子生徒の父親は「息子はいじめを止めようとしたけんかで相手生徒にけがをさせてしまい、警察へ被害届を出されたことを苦にしていた」と話した。また、男子生徒も参加した学年の生徒集会で、教員から14歳の年齢を理由に責任の重さを指摘されたことにも悩んでいたといい、「仮に家庭裁判所に行くことになっても、大丈夫だからと励ましていたのに」と話した。
2月22日 男子生徒は、「人間しょせんは一人 死ぬときも生きるときも」「相談しても偽善者に何を言えばいいんだ」「ばあちゃんへ手伝い行けんでごめんな、これからもいけそうにないわ」と書いた遺書を遺して自宅で首吊り自死した。
2月27日 学校は、緊急保護者会を開き、自殺があったことを報告した。保護者や生徒へのアンケートを実施したが、その中には男子生徒がいじめの仲裁から喧嘩に発展したとの意見や、「今の先生たちに何を伝えても無理」(生徒)、「学校側と亡くなった◯◯君(男子生徒の名前)のお父さんの話が違いすぎる。うそや隠し事が多いです」「(学校は)双方の話をちゃんと聞き(生徒らに)説明したとおっしゃっていましたが、本当にそうだったのでしょうか」(保護者)など教員の対応への疑問の声が含まれていた。
市教委は、1月27日に校内で喧嘩があったことから、自殺との因果関係について、調査委員会の設置を検討している。
事件について、たつの署は「1月28日付で傷害容疑の被害届を受理し、適正に捜査している」と話している。
3月末 学年集会で説諭した教諭は「理由は不明」のまま依願退職した。もう一人は別の中学校に異動した。
調査委員会
調査委員会の設置•調査内容
2014年5月29日 市教育委員会が第三者による調査委員会を設置した。
自殺の原因を調べ、再発防止に関する取り組みなども検討する。
学校の対応についても検討する。
校長、当時の担任ら学校関係者6人や自殺した男子生徒の父親ら計9人に聴き取り調査を実施した。生徒らへは、受験などに影響が出たり、不安を抱く懸念などを考慮し、聴取しなかった。
調査委員
3人 氏名公開
委員長:加藤恵一弁護士(県弁護士会の弁護士)
委員:大学副学長
臨床心理士で福祉大学の准教授
遺族に、メンバー選定理由の説明なし。
調査報告書•その後
2015年7月3日 調査委員会が調査報告書(全21頁)を発表した。
1月の生徒間トラブルについては、喧嘩ではなく、「一方的な暴行事件」と認定した。警察への被害届の提出を勧めたことについては「けがが重く、事件解明の必要があり、問題なかった」とした。
生前の学年集会で教諭が「14歳からは刑事責任能力があり、逮捕、勾留される」などと説諭したことについても不適切ではなかったと判断した。
自殺の理由については、「誰にも相談できず、孤独感を感じていたことは推察できるが、何を相談したいと思っていたかは不明」「裏付ける十分な資料はなく不明」とした。
概要版(全8頁)のみ記者に配布した。
父親は、「悔しい。先生の話はうそばかり」「教員が息子を追い込んだと思っている。目撃したり、先生と息子とのやりとりを知っている生徒たちからも話を聞いて、息子が追い詰められた経緯を明らかにしてもらいたかった」と調査結果に疑問を呈した。