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佐賀県の鳥栖市立鳥栖西中学校に通う男子生徒は、近所で女子児童に対してエアガンを撃っている同級生たちから女子児童を助けたことから、2012年(平成24年)度に入学直後から加害生徒ら13人から、腹を殴られ足を蹴られる、エアガンで撃たれる、カッターの刃を体に押し付けられる、ノコギリの刃を顔の前に突き付けられる、持ち物を隠されたり壊されたりする、「死ね」「金づるやけん、生殺しにせな」「お前の親や妹も殺せる」などの暴言と、現金100万円以上を脅し取られるなどの悪質な暴行•恐喝を受けた。
脅し取られたお金は、当時体調を崩していた家族の入院費用として家庭で貯めていたお金だった。加害生徒は男子生徒に対して「親に言うと、体調がもっと悪化するぞ」などと恫喝し、口止めを図っていた。更に加害生徒は、男子生徒の自宅に集団で押し掛け、男子生徒を外に連れ出して暴行•恐喝行為を繰り返していた。暴行•恐喝行為は7か月近くに渡って続き、担任教諭らはこの間、男子生徒への暴行を目撃していながら放置していた。
男子生徒に対する暴行に気付いた家族が学校に通報して発覚し、学校は加害生徒らへの聞き取りを行い「謝罪の会」を提案したが、加害者全員がいじめ行為を否定し、同席していた校長も事実確認などをする気もなく、指導をする様子もなかった。(男子生徒の母親談)
2013年2月、学校側は男子生徒へのいじめを認めて謝罪したが、鳥栖市は「いじめ重大事態」を認定せず、「いじめ問題等支援委員会」という例外的な組織での対応を行い、同委員会は報告書で男子生徒が受けたいじめの存在は認めたが、「学校が気づくのは不可能である」と学校の責任を否定した。
加害者らのうち、主犯格の5名は児童相談所へ通告された。
2021年7月12日 福岡高裁は加害生徒8人の中5人の行為を「継続的ないじめ」と認定し、5人が連帯して計300万円の支払いを命じ、残る3人については「継続的ないじめ」とは認めなかったが、いじめに該当する行為があったとして計100万円の支払いを命じた。(確定)
2023年6月 市教委は事件を「いじめ重大事態」と認定し、調査委員会を設置した。いじめ事案発生から10年以上を経ての第三者委員会設置は、異例のものとなる。
事件がNHKの番組で放送された翌々日に男子生徒の家の壁に何者かが落書きをしたり、動物の死骸が投げ込まれるという猟奇的な事件が複数回起きるなど、被害者への誹謗•中傷は後を絶たない。
事件の経緯
(茶色の文字は、学校と教育委員会の対応です。)
男子生徒は中学入学前に、近所で女子児童に対してエアガンを撃っている同級生たちから女子児童を助けた。それを見た加害生徒の1人は「いい格好しやがって」と男子生徒に言った。
2012年4月 男子生徒は入学した直後から加害生徒らから、エアガンで撃たれる、プロレスごっこと称しては暴力を振るわれる、授業中に目の前でノコギリを振り回される、母親の脳梗塞再発に備えて準備していた現金と妹の貯金箱にあったお金など100万円以上の現金を脅し取られる、カッターナイフを腕に当たる直前まで振り落とされる、殺虫剤を掛けられる、包丁を向けられるなどの暴行と恐喝を受けた。更に加害生徒らは、男子生徒の自宅に集団で押し掛け、男子生徒を外に連れ出して暴力•恐喝行為を繰り返していた。(男子生徒が受けた暴行•恐喝の苛烈さは、後に行われた裁判で「本件は、『いじめ』という概念では捉えることができない」「継続的な『拷問』と評すべき」とされる程だった。)
2012年4月から繰り返し受けた暴行で男性の左膝にできた大きなあざ。同年10月25日に撮影された=家族提供
画像出典:毎日新聞
加害者らは入学直後の4月から毎日のように中学校の近くの車がほとんど通らない農道で、男子生徒をエアガンで撃っていた。最初は加害生徒らも車が通る時は撃つのを止めていたが、徐々に人が見ていても関係なく撃つようになった。加害者らは、その場所を男子生徒をエアガンで撃つ「狩り」の場所だとして「兎狩りロード」と呼んでいた。
加害生徒らは暴行の際、「死ね」「なかなか死なんな」「金づるやけん、生殺しにせな」「お前の親、入院してるんやろ。お前の親、殺すこともできるんやぞ。13歳は人殺しても捕まらんのやけん、大丈夫」などと言いながら、暴行をエスカレートさせていった。
加害生徒らは街でも男子生徒をエアガンで撃つだけでなく、男子生徒の家の近くの神社で加害者らが「サバイバルゲーム」と呼んでいたエアガンで撃ち合う際、男子生徒を盾にし、盾になっている男子生徒に「撃たない代わりに金をよこせ」と言って恐喝し、加害生徒らはそれを「平和条約」と呼んでいた。この「条約」は、学校でも男子生徒が暴力を振るわれている時も同じで、暴力を止める代わりにお金を取られた。
加害生徒らは放課後にも通学路上にある歩道橋で、自転車を押して歩く溝をブレーキを掛けずに自転車で降りてきて歩道橋を歩いている男子生徒に故意に衝突し怪我をさせることを繰り返していた。放課後の時間帯は周りに中学生しかおらず、男子生徒に対する暴行の存在は他の生徒も勿論把握していたが、誰も止めることはしなかった。
5月 宿泊訓練中、男子生徒は激しい暴行を受けた他、首絞めやキックなどを受けた。(男子生徒は「ぬいぐるみ状態で中の綿が飛び出すまで殴られたイメージ」と振り返っている。)
10月23日 男子生徒に対する暴行に気付いた家族が学校に通報して発覚した。加害者の1人は、いじめ加害を学校に申し出た。中学校の校長は「まずは加害者と保護者から◯◯(男子生徒の名前)君に謝罪させましょう」と提案したが、男子生徒の母親は「謝罪の前にいじめをした生徒たちから実態を聞くのが先ではないですか?」と校長に言ったが、校長は「私は長年現場を見てきた教育のプロです。どうぞ安心して任せてください」と聞き入れなかった。
いじめ加害者生徒たちと男子生徒の両親が対面する「謝罪の会」は、両親と祖母が待つ自宅を加害者生徒のうちの1人と保護者が訪れ、校長も同席することになったが、その場で加害者はいじめを否定し、その後、他の加害者生徒たちも同様にいじめを否定した。
「謝罪の会」について男子生徒の母親は、「連日いじめ加害生徒が家へ来て、話し合いは4時間以上にも及ぶことがありました。しかし全員がいじめ行為を否定し、謝罪もなしで話し合いになりませんでした。同席していた校長も事実確認などをする気もなく、指導をする様子もありませんでした。別室で聞いていた◯◯(男子生徒の妹の名前)が校長に『これはパフォーマンスですか?』と食ってかかっても、意味のある答えはありませんでした。」と話している。
警察は聞き取り調査を行ったが、男子生徒はとても調査に答えられるような状態ではなく、加害者らへの聞き取りから、主犯格の加害者5名は児童相談所へ通告となった。
2013年2月 事件発覚後、学校は聞き取り調査を行い、約4か月後に市教育委員会は保護者説明会と記者会見を開催した。そこで学校側は男子生徒へのいじめを認め、教育長も「いじめを通り越して犯罪に等しいと思っている」と謝罪した。
9月 いじめ防止対策推進法が施行されたのを受けて、男子生徒側は「いじめ重大事態」として調査することを市に要望した。いじめ防止対策推進法は、いじめがあり、それに関連して不登校や自殺未遂、金銭が奪われるなどの事態が発生すると「重大事態」と認定される。男子生徒は加害生徒らに100万円以上を奪われ、自殺未遂にも及んでいたが、鳥栖市は「いじめ重大事態」を認定せず、「いじめ問題等支援委員会」という例外的な組織での対応を決めた。
いじめ問題等支援委員会は、男子生徒が学校に通えるようになることを焦点とせず、「この問題を収束させること」に重きを置き、男子生徒に対するいじめを主張した母親について、一度も会ったことのない委員が「母親は難しい人だろう。病理性を感じる」との文書も発表している。
いじめ問題等支援委員会は、報告書で男子生徒が受けたいじめの存在は認めたが、「学校が気づくのは不可能である」と学校の責任を否定した。
男子生徒側は「(いじめなどにクラスの担任が)対応できないのであればいじめ問題などに対応する専門の人材を設置する、専門の方々にお話を伺うなどの具体的な対策をしてほしい」と何度も市に要望したが、市は対応しなかった。
男子生徒は暴行•恐喝による重度のPTSD(心的外傷後ストレス障害)の診断を受けており、現在も「風景が黒く見える」などの重い視覚障害も抱えている。また、男子生徒の地元では10月に秋祭りがあり、夕方から夜にかけて秋祭りに向けた練習でスリガネの音が響いているが、男子生徒は加害生徒らに連日夜まで連れ回され、恐喝され、暴力暴行を受けたPTSDのため、スリガネの音を聞くと耳を強く押さえたり、スリガネの音が聞こえないように両耳を引き切ろうとすることもある。
民事損害賠償請求訴訟
提訴
2015年 男子生徒側は、加害者の同級生8人とその保護者、鳥栖市を相手取り、計約1億2800万円の損害賠償を求める訴訟を佐賀地裁に提訴した。
原告側は約150件について加害者側の加害行為を示し、「拷問および恐喝行為」と指摘した。更に学校側は、担任教諭が暴行の様子を目撃していながら放置したことでエスカレートした「学校側の安全配慮義務違反」とも指摘した。
提訴後、鳥栖市は態度を一変させ、「いじめ調査やその結果は、被害者保護者側の強い態度によって従わされたもの。原告側が主張するいじめの内容は過大」と受け取れる主張を行い、「学校や教育委員会に安全配慮義務違反は認められない」とした。
また、加害者側は大半の加害行為を否定し、一部認めた加害行為についても「ちょっかい、悪ふざけの範囲でいじめではない」「お金は受け取ったが脅していない」などと主張した。
一審(佐賀地裁)
2019年12月20日 加害者の行為の一部が「不法行為」に当たると認定し、加害者8人に約410万円の支払いを命じた。エアガンで撃った行為と被害者から金銭を受け取った行為について認定し、PTSD発症との因果関係を指摘した上で、エアガンで撃った2人について連帯して約380万円、また金銭を受け取った8人全員について連帯で約30万円の支払いを命じた。
その一方で、被害者が被害を訴えた行為の大半については証拠不十分として認定しなかった。認定された行為については、加害者側が自ら「その行為はあった(が、いじめではなく悪ふざけ)」と認めた範囲に限られていた。更に認定した行為についても「悪ふざけ•遊びのたぐい」だとして、いじめとは認定しなかった。
鳥栖市と保護者への請求は棄却した。
学校側の対応については、「行為の多くは学校外や長期休業中のもので、教諭が認識したものとはいえない。いじめの被害申告や相談をしていなかった」として、安全配慮義務違反はないと判断した。
原告側は一審判決を不服として、福岡高裁に控訴した。
判決後、男子生徒は実名と顔を公表し、「判決を受けた日、私は名前も顔も公表しました。事実がねじ曲げられたことへの怒りがありました。『僕は本当のことしか言っていない。やましいことはない』『うそをついて逃げ回る教師や加害者とは違う』ということを明確にしたいという思いがありました。自分に起こったこと、これまでの道のりを振り返った時、不退転の覚悟を持って臨もうと思ったからです」と話した。
二審(福岡高裁)
第1回口頭弁論における男子生徒の陳述
「この度は、陳述の機会を与えていただき、ありがとうございます」。男子生徒の意見陳述が始まった。「中学入学直後から、私へのいじめは始まりました。暴言•暴力、金銭の恐喝、エアガンで撃たれるなど、何もない日はありませんでした」。いじめは12年4月から約7カ月間続いたと訴えている。「『学校の先生に助けを求めればよかったのでは?』とも言われますが、担任の先生は私が暴力を受けている時も、見て見ぬふりをしていました。そんな先生に相談することはできませんでした。いじめに苦しむ人は、その場をしのぐことで精いっぱいで、どこに助けを求めてよいのか分かりません」。さらに「『親に相談したり、学校に行かなければよかったのでは?』と言われます。当時母は病気で入院しており、私は医者から『再発する可能性があるから、心配させないように』と言われていました。加害者から『ばれたら、母や妹に危害を加える』と脅され、親に相談することも逃げることもできませんでした」
「周りを取り囲まれ、背後から首を絞められたり、殴られたり、蹴られたりしました。カッターの刃を突き付けられ、目の前でのこぎりを振り回され、恐怖で体が硬直し、頭の中が真っ白になりました。やがて暴行を受けても痛みを感じなくなり、私に向かって撃たれたエアガンの弾が、体をすり抜けていくような感覚になりました。暴力を受けすぎて、もう振り払う手も、逃げる足も、助けを呼ぶ口もなくなっていました。どんどん私が壊され、私が私でなくなっていったのだと思います」
いじめは別の同級生が学校側に訴え、12年10月に発覚した。「発覚直後から今日まで、私は何度も自殺未遂を繰り返したそうです。人ごとのような言い方ですが、決して『死のう』と決意して行ったのではないのです。私の中には別の私がいるみたいです。今話をしている私の他に、いじめられていた当時の私や、自分が誰かも分からない人がいるようです。ある時何の前触れもなく、いきなりいじめられていた当時の状況が目の前に現れます。そして私が私でなくなるのです。そうなると、自分をコントロールすることができなくなってしまいます。自殺未遂はそのような状況で起こったのだと思います」
今なお続くPTSDの症状も明かした。「今も火や刃物が怖く使うことができません。水が怖く、プールやお風呂に入ることもできません。私と年の近い人や学生服の集団とすれ違うと、恐怖で体が硬直します。加害者や当時の同級生に会うかと思うと、一人で電車に乗ることも店に入ることもできません。いくら『大丈夫だ』と言い聞かせても、息苦しくなり体が反応してしまうのです。知らないうちに記憶が飛んでしまい、夢か現実か、自分がどこにいるかも分からなくなってしまうのです」
長く暗いトンネルの中でも、命を絶たなかったのは家族のおかげだと言う。「死なずに済んだのは、家族の体を張った助けがあったためです。母は『こんな目に遭って、加害者や学校に腹が立たないの?』と聞かれるそうです。母は『息子を生かすのが最優先で、加害者や学校に腹を立てている余裕がない』と答えています。医者は私の症状について『重いPTSDで、治ることは難しい』『これだけ重症で生きている人はいない』と話しています。多くの人は絶望するでしょうが、母は『治らないなら、慣れればよい』という姿勢で、私に関わってきました。そんな母の関わり方は、周りから見れば突拍子なく見えるでしょうが、その関わりや、それを理解し支え合ってきた家族の協力があったからこそ、生きてこれたのです」
そして、裁判を闘う決意を固めた思いをこう表現した。「私はこれからもPTSDを抱えながら生きていかなければなりません。そのためには『なぜ自分がこのような状況になったか』ということをはっきりさせることがどうしても必要なのです。学校•教育委員会が明らかにしてくれない以上、私にできることは裁判によってはっきりさせることでした」1
2021年7月12日 加害生徒の行為を「悪ふざけ」と判断した一審判決を一部変更する形で、加害生徒8人に対して計400万円の損害賠償を命じた。加害生徒8人の中5人の行為を「継続的ないじめ」と認定して、5人が連帯して計300万円の支払いを命じるなどとした。その一方で残る3人については「継続的ないじめ」とは認めなかったものの、いじめに該当する行為があったとして損害賠償を命じた。また、保護者と鳥栖市への賠償請求については、一審に引き続いて認めなかった。
男子生徒に対するいじめについて、全体としてある程度の事実は認めたが、いじめやそれに伴う違法行為の範囲を狭く判断し、例えば「教室で行われたプロレスごっこ」について、「殴る蹴るといった暴行、首ロック、ヒザカックンなども含まれる」としつつ、「中学1年生男子の間の遊び」であり、「通常、身体的な接触行為により一定の苦痛を受けることを承諾していたともいえる」として、不法行為として認めていない。
裁判では、加害者の1人に現金を手渡す場面が映った防犯カメラ映像も証拠として提出された。男子生徒が加害生徒らから周りにいじめだと気づかれないように「笑え」といつも言われており、男子生徒は「どうせ殺されるんだ」と恐怖を感じていたが、判決では「原告◯◯(男子生徒の名前)を脅す様子はなく、怯えている様子は見られない」「度々笑顔を見せており、その笑顔は、その場しのぎのものではなく、いたぶられるような心理状態になったとは見受けられない」と判断された。
裁判資料の中には当時の中学校校長が代理人弁護士に向けてエアガンを発砲する写真もあり、校長はエアガンは「撃ち合いごっこ」として使用するもので、目に直接当たるなどしなければケガをしない、皮膚に当たった感覚はおでこを弾く「デコピン」程度と話していた。
原告側は「鳥栖市の安全配慮義務違反を認めなかったのは法解釈の誤り」「加害者のいじめ行為を認めたものの、いじめとPTSDとの関係を検討していないのは、PTSDの理解に重大な誤認がある」などとして、二審判決を不服として2021年7月21日付で最高裁に上告した。
判決後、男子生徒は、今もどこかで起きているかもしれないいじめを思い、メッセージを発した。
「いじめは本当に恐ろしいです。いじめた側は何事もなかったように生活していますが、いじめられた側は日々おびえながら生きています。そして、その被害は一生続きます。いじめられた人は誰かに助けてもらわなければ、その苦しみから抜け出せません。それを多くの人に分かってもらいたいと思います。私は、12歳だった当時の僕のため、そして同じようにいじめ被害に苦しむ人のために、もう一度、勇気を振り絞って闘いたいと思います。この裁判を通して、いじめで苦しむ子が少しでも減るような世の中になることを心から願っています。」
最高裁
2022年7月12日 上告を棄却し、いじめの一部を認定したものの鳥栖市の賠償責任を認めなかった二審判決が確定した。
調査委員会
調査委員会の設置•調査内容
2022年9月7日 男子生徒と代理人弁護士は「訴訟の結果とは別に、教育的な見地からの検証が必要」として、鳥栖市教育委員会に対して再調査を求める要望を行った。
12月 鳥栖市は男子生徒側の申し入れを受け、当該案件をいじめ防止対策推進法による「重大事態」と認定し、第三者委員会を設置して調査する方針を決定した。いじめ事案発生から10年以上を経ての第三者委員会設置は、異例のものとなる。
2023年6月 市教委は事件を「いじめ重大事態」と認定し、調査委員会を設置した。
調査委員
調査委員会のメンバーに利害関係当事者(当時の支援委員の3人。1人は「(いじめの存在に)学校が気づくのは不可能」と発言していた。)が含まれているなど、文科省のガイドラインが反映されていない疑いもある。
被害者への誹謗•中傷
被害者の自宅に動物の死骸が投げ込まれるという異常性と猟奇性を感じさせる事件も複数回起きている。また、2021年10月29日にNHKの番組「The Life」が放送された翌々日には男子生徒の家の壁に何者かが落書きをするという事件も起きている。(事件を取材した阿部泰尚氏は、事件の被害者とその家族が受けているこれらの事件について、「鳥栖市民、佐賀県民が地元を誇りに思うのであれば、今すぐ犯人を見つけ出し、佐賀県と鳥栖市には正義があるということを日本のみならず世界に示すべきだ。それをせずに、さらに被害者とその家族を責めようというならば、異常な人権侵害地域だと宣言するのがいいだろう。」と述べている2。)
被害者宅の壁の落書き
画像出典:MAG2NEWS
参考資料
“暴言、暴力、恐喝、エアガンで撃たれ…中学でのいじめ 被害男性が今、伝えたい思い” 毎日新聞 (2020年11月23日)
“「13歳は人殺してもつかまらんのやけん」100万円以上を奪い、毎日エアガンで同級生を撃った鳥栖の凶悪“中学生イジメ集団”の末路” 文春オンライン (2023年9月28日) 他
- “暴言、暴力、恐喝、エアガンで撃たれ…中学でのいじめ 被害男性が今、伝えたい思い” 毎日新聞 (2020年11月23日)
- “自宅に動物の死骸を投げ、壁に落書きの「証拠」写真。佐賀県鳥栖市いじめ事件の被害家族をさらに追い詰める卑怯な輩” MAG2NEWS (2023年10月12日)