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2022年(令和4年)9月、静岡県の焼津市立中学校の女子生徒(中学3年生•14歳)は、「きもい」や「くさい」などの悪口や陰口のほか、冷やかしやからかい、発表会のために描いた絵が破かれた状態で見つかるなどのいじめを苦にして学校から帰宅後に自死した。
同年4月、女子生徒は同校に転校したが、当初、「学校の雰囲気になかなかなじめない」と話していた。
女子生徒は亡くなる2か月前に行われた道徳の授業で、プリントに「本当の自分は出さない。またいじめにあうかもしれないから」とか「1人の時は本当に暗い」、「いつもぐちゃぐちゃな心境」などと書いて提出していたが、教諭は声掛けや確認を行わなかった。
2023年6月、調査委員会は生徒へのアンケートや聞き取り調査の結果、「きもい」や「くさい」などの悪口や陰口のほか、冷やかしやからかい、美術部に所属していた女子生徒が発表会のために描いた絵が破かれた状態で見つかったことについて、女子生徒へのいじめと認定した。そのうえで、女子生徒の自殺について「唯一の原因を特定することは困難だが、いじめと認定した行為や学校側の対応が影響を与えたことは否定できない」とした。
調査委員会
調査委員会の設置•調査内容
2022年11月、女子生徒の遺族は学校に対して詳細な調査を求め、市は弁護士や医師らによる第三者委員会を設置した。
調査報告書•その後
2023年6月、調査委員会は生徒へのアンケートや聞き取り調査の結果、「きもい」や「くさい」などの悪口や陰口のほか、冷やかしやからかい、美術部に所属していた女子生徒が発表会のために描いた絵が破かれた状態で見つかったことについて、女子生徒へのいじめと認定した。
女子生徒は亡くなる2か月前に行われた道徳の授業で、プリントに「本当の自分は出さない。またいじめにあうかもしれないから」とか「1人の時は本当に暗い」、「いつもぐちゃぐちゃな心境」などと書いて提出していたが、教諭は声掛けや確認を行わなかった。女子生徒のSOSに対応しなかったことについて、「教諭は内容について気にはなったものの、中学生なら誰しも抱く感情、すでに問題は解決済みと判断した」としたうえで、「いじめの重要な情報として扱うべきものだった。女子生徒の発したサインを受け止められなかったことは、計画的に研修を行っていなかった学校の組織態勢の不備によるものだ」と指摘した。
そのうえで、女子生徒の自殺について「唯一の原因を特定することは困難だが、いじめと認定した行為や学校側の対応が影響を与えたことは否定できない」とした。
調査報告書の発表後、市教委は「調査結果から、女子生徒が嫌な思いをしたのではないかと推察され、いじめと認定した」と説明した。また、調査報告書を当初非公表としていた理由について、市教委は当時の同級生が既に卒業しているため心理的ケアができず、「生徒への影響を考慮して非公表とした」とし、「報告書に関わる内容についてはお答えできない」としている。
この報告書はこれまで公表されておらず、市教委は「生徒への影響を考慮して非公表とした。報告書に関わる内容についてはお答えできない」としている。
女子生徒の父親は「いじめの内容は想像以上で、すべてがつらいものでした。耳を背けたくなるような汚いことばを、なぜかけられなくてはならないのかと思いました。先生がプリントを見て、何も思わなかったことも信じられませんでした。おとなしい子にとってことばで書くこと自体がSOSだということをもっと感じてほしかった」と話している。
民事損害賠償請求訴訟
提訴
女子生徒の両親は「教諭はいじめを認識できたのに対応を取らなかった」として、市に対して7000万円余りの損害賠償を求めて静岡地裁に提訴した。
女子生徒の父親は「なぜ娘が短い生涯を終えなければならなかったのか、その苦しみや、大切な家族を失ったつらさを学校や教育委員会、いじめに加担した生徒に感じてほしいと思いました。学校には、一人ひとりの生徒にもっと目を向けてほしかったです」と述べている。
参考資料
“静岡 焼津 いじめを受け女子生徒が自殺 両親が市を提訴へ” NHK (2025年9月26日) 他