保育•教育

イギリスの子ども達は自信満々

 その様子を想像していただければ分かるように、全体的に非常に明るい、柔らかい雰囲気に作られています。簡単に言えば、日本の幼稚園や保育園に近い雰囲気です。
 クラスの生徒数は、全国平均で27名程度ですが、私が見学したクラスの多くは、20名〜25名でした。ちなみに中学校は約21人が平均です。
 見学したほとんど全ての授業に、教師以外に、1~3人のボランティアの親が教師のアシスタントとして参加していました。イギリスの小学校では、親の学校参加の一つとして、親のボランティアの活用が奨励されているのです。
 親のボランティア以外にも、クラスの中に、何らかの学習困難(「Special Educational Needs」、以下SENと言います)を抱えている子どもがいる場合には、その程度に応じて、特別教師やアシスタントが配置されていることが、珍しくありません。現在、イギリスの小中学校の全子どもの約20%が、このSENの教育システムの対象となっています。学習困難な程度に応じて1~5レベルに分けられ、個々の子どものニーズに応じて、個別の教育的配慮が行なわれるのです。このSENには、障害の有無や学力の問題だけでなく、行動上の問題を抱えた子どもなども含まれます。とにかく、理由を問わず、学習の困難さを抱えた子どもは全て対象となるわけです。
 授業も、日本のような一斉授業中心ではなく、5~6人ずつのグループに分けて行われるグループ授業が中心となっています。
 グループ授業といっても、教師やボランティアの親が、各グループを回りながら、子どもたち一人ずつ指導していくことが多いため、必然的に、教師・親と子どもが一対一で会話する場面が多くなります。
 子どもによって、また、グループによって、課題が異なることも少なくありませんので、授業の終りに、全員で答えあわせをすることも、余りありません。
 欧米の教育に関して、しばしば聞く話ですが、教師は、子どもたちを本当によく誉めます。時には、大袈裟なくらい誉めています。一対一で相手をしていることが多いため、その子どもに何か良い点があれば、他の子どもとの比較をしないでも、簡単に誉めることができるわけです。ある小学校では、全ての子どもが、少なくとも年に一回、何らかの理由で、先生から賞状をもらっているとのことでした。

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