子どもを殺す学校というシステム

森池豊武
1990年7月6日、石田僚子さんが、学校の(門扉担当)教員によって殺されてから23年。内海平君が教員の体罰によって自死してから19年。学校という組織は、いじめや教員の体罰によって多くの犠牲者を生みだしています。大津市立中学のいじめや桜宮高校の体罰事件のマスコミによる報道によって、学校や教育委員会が自らの責任や、子供の死との因果関係を認めはじめているかのように見えます。しかし、「教師の体罰やしっ責によると思われる自殺」は報道されているだけで40件以上あり、文部省の小中高におけるいじめ認知件数も年間7万件を超えています。学校というシステムそのものの欠陥(閉鎖された空間、教師と子供との権力構造、学校の隠蔽体質、体育会系組織の暴力容認体質等など)をいくら列挙し、分析しても問題の解決にはなりません。学校内部での対応ができないのなら外部から警察や、スクールカウンセラーを招けば、解決するのでしょうか。「大津市こどものいじめに関する条例」を策定することによっていじめの根絶が可能になるのでしょうか。何も問題の解決にはならないと思われます。学校や学校の関わりによって一人の子供がなくなったという事実だけで、教育や学校の存在意義は消え去ります。子供に寄り添う教師や友人が一人いるだけで、救われる命はあるのではないでしょうか。いじめや体罰による苦しみや屈辱を理解し、そのことに対する同意や支持を得ようとする子供の思いが、教師や友人や社会の人々の世界の見え方の基礎にあるようになった時、解決の道筋が見えます。愛とは、他者の目で世界を構築する営みです。長年にわたる私たちの取り組みは、そのような方向を目指しているのではないかとの思いを抱いております。
号泣議員と議会改革: 市民のための議会改革処方箋
森池豊武(著), 折口晴夫(著), 丸尾牧(著) / エピック / 2015年8月25日
<内容>
全世界に放映された号泣会見。遁走した議員、夫婦で観光旅行した議員たちの実態とおいしい政務活動費を徹底的に調査し、告発‼
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