石田僚子さん追悼35周年追悼会
7月5日(土)に神戸映画資料館で県立神戸高塚高校卒業生の寺田和弘監督作品「『生きる』大川小学校 津波裁判を闘った人たち」の上映会と野口善國弁護士のトークを開催します。
だるま森+えりこさんの演奏と、おおたけなおこさんのショートムービーも上映されます。
皆様のご来場をお待ちしております。
7月6日(日)AM8:30〜9:00『兵庫県立神戸高塚高校門前追悼』(西神中央駅徒歩10分)
門前追悼後、レンガの家へ移動し、石田僚子さん伝承館にて追悼の集いを開きます。
当事者になること
「生きる」大川小学校津波裁判を闘った人たち
監督 寺田和弘
去年に引き続き、ぐるーぷ「生命の管理はもう止めて!」主催による上映会を7月5日に開催していただけることになり、とても嬉しく思っています。当初は、去年の本作上映時に100人近くの方々に神戸映画資料館に来場いただいたこともあり、今年は別の作品の上映も検討したのですが、ある理由があり、今年も本作の上映をさせていただくことにしました。
それは大川小学校の校舎保存の問題です。校舎保存を望むご遺族は津波の恐ろしさを感じてもらうためにも、校舎の中にも入ってほしいと考えていますが、宮城県石巻市は条例で校舎内の立ち入りを禁止しています。校舎が傷んでいて危険だからというのも一つの理由にされています。映画でも少し触れていますが、石巻市は大川小学校の校舎を存置保存するとしています。これはもともと保存を望むご遺族が「校舎を大きく変え残すのではなく、震災当時の状況、津波の恐ろしさが後世に残るように保存してほしい」などという思いが出発点でしたが、いつの間にか行政側は「何も手をつけない」と解釈するようになりました。その結果、去年11月に外壁のレンガが剥がれ落ちる事態となってしまいました。そのため今年3月の映画館でのアンコール上映時から、校舎保存のための募金活動を始めました。ただ、これまで裁判を闘ったご遺族は、お金の面で誹謗中傷されてきたので、あまり大きな活動は控えるようにしています。まずは映画を観てくださった方々への呼びかけという形でスタートしています。私たちが大川小学校を後世に残したいと考えているのは【当事者になってほしくない】という思いからです。
さて、今回の上映会の準備を進める中で、行政機関などから後援をもらおうと申請しました。後援がもらえないと公共施設などにチラシを置かせてもらえないケースもあるためです。こうした中、ある事件が起きました。昨年は後援をいただいた神戸市教育委員会でしたが、今年は「後援することは差し控えさせていただきます」という通知がきました。通知書には理由が書かれていませんが、通知に至るまでのやり取りを少しお伝えします。まず担当者の方から「昨年度の上映会におきましては、後援を承諾させていただきましたが、現在、当委員会が係争中の案件におきまして、本イベントにゲストとして参加される野口弁護士が相手方代理人を務める案件がございます。このような状況のため、今回の申請におきましては、後援を差し控えさせていただきたく存じます。大変恐縮ではございますが、申請の取り下げについて、ご検討いただけないでしょうか。」というメールがありました。しかし、承諾の要件に、神戸市教育委員会との係争中案件に関わる訴訟関係者が関わっていないことなどという記載も無かったことから、「再考していただくことはできないでしょうか?その上で今後、委員会内や議会などで承諾の用件の変更について議論していただければ幸いです。」と返答し、申請の取り下げを私たちからすることはしませんでした。
少し想像してみてください。当事者になるということを。災害や事件でご遺族となられた方々の「当事者になってほしくない」という思いを。神戸市教育委員会は、去年は当事者でありませんでしたが、今年は当事者となり上記のような判断をしました。もう一度、言います。想像してみてください。当事者になるということを。そんなことも上映会後にみなさんとお話させていただければと思っております。では当日、会場でお待ちしています。








