石田僚子さんに心よせて

会計担当 藤田英美
石田僚子さんは本当にまじめな生徒さんだったに違いありません。遅刻の常習者だと8時30分に門が閉められるという事を知っていて、駆け込むことはしなかったでしょう。私自身、学生時代は校則に何の疑問も持たないで学校生活を送ってきました。それは校則は守るものだと思っていたからです。そこに私がいても駆け込んでたでしょう。そう思うと本当にゾッとする事件です。そんなことが教育現場で起きるとは誰もが思ってもいなかったでしょう。15歳の女子学生、夢と希望に胸ふくらませ、友達とワイワイおしゃべりして学校生活を楽しく送ったことでしょう。僚子さん、あなたはどうしていますか?あなたはあの時から時が止まったままですね。あれから30年も経ちました。でも変わっていないのは兵庫県や神戸市の教育委員会です。もっと大きく言うと日本の教育制度です。管理教育です。
管理教育は生徒の自主性を無くし学校で決めた規則に従わせるという事で集団主義になり、主体性がありません。悲しいかな今の社会では管理教育は改善されるどころか形を変えて延々と社会に蔓延されています。どんな小さなことでも学校の許可が必要でその許可を得るには並大抵ではありません。私の娘が高校の時、体に湿疹がひどく体育の時擦れて痛いので体育をしばらく見学させてくださいというと「診断書を出してください。」と言われましたが、我が家では医者にかかっていませんというと「それでは見学は無理です。」と言われ親が学校に行って話し合いをするという事がありました。そんな些細なことでも管理されています。
学校の校則は守るものと思っている生徒が大部分だと思います。一番大事な小中高校時代に管理された中にいたのでは子どもは伸び伸び育つとは思いません。校則は最低限の内容で充分かと思います。もっと自由な学校になって欲しいものです。生徒一人ひとりの主体性や柔軟性は管理教育の下では育めず、かえってそこなわれるように思えてなりません。
私は何もできませんが1つだけ伝えたいのは、「僚子さんあなたのことは忘れないよ」という事です。ご両親やご兄弟にとって悲しみは癒える事はないと思います。私は僚子さんに一度も会ったことはありませんが毎年7月6日、高塚高校の前で門前追悼をしてきたことで大変身近な存在になりました。そしてこの会に長く携わることで多くの人との出会いがあり、気づかされることがたくさんありました。ありがとうと言いたいです。
2011年東日本大震災により岩手県陸前高田に嫁いだ娘が津波によって私より先に旅立ちました。悲しみは癒える事はありませんが、今できる事をできる時にするという事で毎日を送っています。「僚子さんのこと忘れないよ」ということを語り継いでいくことで二度とこういう事が起こらない様にと願ってやみません。
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