校門改修公金支出賠償請求訴訟

第7回口頭弁論 裁判報告

① 4月22日1時30分~3時、203号法廷で口頭弁論が行われる。傍聴席50席は満席で、わざわざ傍聴に来られた方々が入れない状態であった。(国民には、本来、傍聴する権利が保証されていなければならないのであるから、裁判所側が、もっと広い部屋に変更すべきであり、今後そのように要求していかなければならないと思った。)その為、わざわざ、長野県から集会講師として来ていただいた日垣隆さんが、傍聴できなかったことは残念であった。
② 原告及び補助参加人は曽我、中島、河村、山本、飛田、森池/泉、所、櫛田の9名、原告弁護士は金子、秋田、峯本、青木、山田の各弁護士、特に、山田康子弁護士は、今回より御参加いただいた。
③ (高塚高校校長)衣川清馬証人の尋問について
本来、第7回口頭弁論は、被告側の主尋問が中心で、原告側の反対尋問は補足的に行うという事前の約束を反故にして、主尋問を短くするので、反対尋問も含めて証人尋問は今回限りにするという卑劣な画策をろうしました。(註:が、どっこい、衣川さん次も出てもらいまっせ!)
④ 被告側主尋問について
 被告弁護人と衣川証人は、監査委員会で述べた校門撤去に関する経過説明に基づいて周到に準備された問答を繰り返し、校門撤去の正当性と、教職員、生徒、育友会の合意を得たものであり、手続き的にも問題がないと主張したものであった。
 しかし、監査委員会での証言とは異なり、8月1日の就任当初より、校門を改修する意図があり、教育委員会の学事課長と話し合っていたこと。また、9月6日に学事課課長とすでに、祭壇撤去と校門改修について共通理解が出来ていたことが証言された。
 また、9月10日の校務運営委員会(校長、教頭、事務長、各部長等14名で構成)では、校門改修について話し合ったが、職員会議では、話し合いがなかったこと。9月18日には、予算の令達があり、工事に向けての具体的着手が行われていた事などは、監査委員会での発言と異なった証言である。
 さらに、9月18日に予算令達が行われ、それより後に9月21日に校門改修の要望書が出されたことの矛盾を言い繕うために、9月18日に口頭で要望を伝えた際に、後日でいいからと言われたので、9月21日になったという説明では、9月18日に口頭で要望を伝えた同じ日に〔改修の要望→設計の為の協議→設計図の作成→費用の積算→予算要望→予算令達という〕通常数週間かかる手続きが全て完了したことになり、なんの説明にもなっていないことは明らかである。
 事の真実は、9月18日の予算令達よりはるか以前の段階、恐らく8月段階より、設計が始められ、9月初旬には設計図が完成し、予算獲得の手続きも済まされていたので9月18日に予算令達が出来たと考えられる。とすれば、校門改修については、父兄•生徒•教職員の意思とは全く関係なく、教育委員会と校長サイドで一方的に進められたことになり、監査委員会での説明は、出鱈目であることになります。
 また、被告弁護人が「刑事公判で校門が不必要になれば、どうするのか。」という質問に対して、校長は「改修したいと考えている。」と明確に校門撤去の意思を表示したことも問題である。被告側の従来の主張では、校門周辺工事は行ったが、設計変更し減額しているので、校門それ自体の工事は行っていないので、訴えの利益がないということで、今後の校門工事については、終了か中断かについても態度を明らかにしていませんでした。〔校門が撤去されてしまえば、この訴訟の意義は半減してしまい、事件の風化が一層進むと考えられるので、再度、校門の撤去をさせない監査請求(差し止め請求)を行う必要があると思われます。〕
⑤ 原告側反対尋問について
 衣川校長が、高塚高校に赴任する内示を得たのは、7月26日であったこと。
 「高塚高校のどのようなことが問題と考えていたか。」の質問に対して、校長は「厳しい生徒指導が問題である。」と答えたものの、生徒指導以外の学校の有り方についてはなにも考えていないと答えたことからも明らかなように、校門圧死事件を学校教育のもつ構造的な問題であるという視点は全く持ち合わせていないことが明らかになった。
 内示後、学事課課長と7月26日•27日に話し合った際に、「あの状況のままで、いいかどうか、いずれ変えなければならない。」と校門改修のことが話題にのぼっていた。また、校門改修を思い浮かべたきっかけについて質問されると「育友会の話しを聞いて。」と答えるが、何時、誰から聞いたのかの質問について「分かりません。覚えていません。」と答えられないことからも、校門改修の要望が父兄•生徒•教員等から出され、計画したという話が出鱈目であることが明白になった。
 さらに、校門改修についての会合は開かれていないのが事実であり、校長•教育委員会サイドだけで話しが進められていたことも明らかになっています。
 9月6日には校門改修の設計に着手していたとの証言があり、すでに校門改修が具体化しているにも関わらず、9月8日の全体保護者会で一言の説明もしなかったことについて、「具体的なものはなかったから。」と虚偽の証言を行っている。これらは、全て「関係者には何も知らせず、計画実施段階になって事後承諾を求めるという」行政の常套手段であると思われる。
 9月6日に校門改修の設計が着手され、9月18日以前に設計図を見ていると証言され、見通しが良く軽快な感じのする校門等の要望通りの設計図が、手直しもなく完成されているにも関わらず、「9月6日に見通しが良い等の意見はすでに伝えられていたのでは。」と言う質問に対して、校長が「伝えていない。」と答えたことは、明らかに嘘をついていることになる。なぜならば、要望が伝えられていないのに要望どおりの設計は出来ないから。
 花壇を設けて、四季折々の花を植え世話をすることで二度と事故を発生させない決意を示す等という言葉が美辞麗句としては語られるものの、その本質は、事故の痕跡を留めないただの花壇を作り、事件を風化させることであることは、現在に到るも事故現場を塵の吹きだまりにしたまま放置し、線香の一本、供養の花一本も供えていないことから、そのような決意や心がないことは明らかである。
 校門改修の意義についても、なんの話し合いも持たれず、共通認識もなく、校長と教育委員会の独断と偏見で強行し、無内容な「教育的配慮」という便利な言葉でカモフラージュし、石田さんの家族•生徒•父兄•教職員等の理解や合意をでっち上げ、利用したということが真相であると思われる。
7月22日(水)1時30分~3時に行われる第8回口頭弁論では、以上のような矛盾点を明らかにしつつ、生徒•教師•教職員組合•保護者•遺族代理人からの聞き取り調査をもとに、校門改修計画の実態を明らかにすることで、教育的配慮論を論破することになります。(註:勿論•衣川校長への原告側からのきっつい反論の尋問でっせ)尚、6月22日(月)6時30分より神戸学生青年センター(六甲)で弁護団•原告団会議が行われますので、是非ご出席下さい。(以上、報告 森池)

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