フリースクール18周年に思う

神戸フリースクール 田辺克之
フリースクールが1990年7月に設立されて、18年目を歩みだしました。阪神大震災で自宅も教室も全壊し、明石から神戸に移って、新たなスタートを切って丸10年になります。あの絶望的な状況の中で、あたたかい眼差しを注ぎ続けて下さったみなさんのおかげで、ここまで続けてくることができました。心より感謝いたします。
昨年秋に、相次いで起った「いじめ」による子どもの自殺に、日本中が悲しい気持ちになりました。あわてて文科省は、いじめ対策を打ち出しましたが、決め手のないまま、その影響でいま不登校が増加傾向にあると報道されています。学校以外の選択肢のひとつとして、フリースクールがとりあげられ、神戸フリースクールもテレビや新聞で紹介されました。
子どもの自殺をふせぐには
文科省の対策は、厳罰制度とか教育再生とか、なんとか学校の中で解決しようという方法ですが、それには限界があります。もっと地域や民間の協力を訴えるべきだろうと思います。僕は、一番大切なことは、まず「休ませること」だと思います。「いじめ休暇」のような制度を学校が認め、その場合欠席ではなく、出席扱いにするのです。休暇中は、自宅でゆっくり学習してもいいし、民間施設であるフリースクールに通って学ぶのもよいと、公的に認められたら、親子は安心して休むことができます。その間に、学校の担任や校長が「いじめ」の解決に全力投球して、膿を出し、和やかなクラスがよみがえったら、子どもを迎えに行くという制度をつくれば、大きく緩和されるだろうと思います。
学校は休めないものと思い込んでいる真面目な子どもが、要注意です。学校がすべてではない、選択肢はいろいろあると、政府が広くPRし、奨励していけば、子どもの気持ちもほぐれ、思いつめて自殺を選ぶことは、避けられるだろうと思います。学校の中だけで処理しようというのではなく、民間の力を借りて、柔軟に対応していけば、きっと道は開けると思います。
子どもたちは、学校しかないと思うから、深刻に自分を追いつめてしまい、かけがえのない命の幕を下ろしてしまうのです。学校が自分に合わないと気づいたら、気楽にフリースクールに転校できる制度を、政府が確立すれば、子どもたちの未来は明るいものになると思います。
神戸フリースクールの経営が危機的な状況にあります。なんとかしようと夜勤をしたり借金をしてまで資金の捻出をしてきた田辺さんの健康にも問題が出てきました。カンパをお願いします。郵便振込み番号は 01120-9-81163 神戸フリースクール
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